市場、蚤の市、フリーマーケットなど、野外の物売りには過敏に反応してしまう。 海外旅行へ行っても、とにかく滞在するところの近くに市場があるかどうか、 というのは重要ポイント。観光そっちのけで、朝っぱらから市場や蚤の市をうろうろする私。 人から見ればどうでもいい戦利品に、一人どっぷり悦に浸っていることも。 今回は東京の蚤の市とも言える、世田谷ボロ市へ行ってみた。
ボロ市は毎年12月と1月の15日、16日に開催されている。 土日とか関係なく、日程は決まっているらしい。なんと世田谷区の無形民俗文化財に指定されている。 400年以上の歴史がある、由緒正しき市なのだ。もともとは、農民相手の農具市として栄えたらしい。 野良着のつくろいや作業用のわらじの補強に利用するボロが多く売られたところから、ボロ市と名がついたんだそう。
平日とはいえ昼間は人が多そうなので、夜7時過ぎに到着。朝9時から夜の9時までやっているので、仕事帰りに寄っていく人も多いよう。 東急世田谷線に乗って上町で降りる。 この電車も相変わらず2両編成で細道をゴトゴト進む呑気な雰囲気。 お祭りへ向かう気分を盛り上げる乗り物だなあと思う。 駅を出たら人のぞろぞろ歩く方向へ付いていく。寒い冬の夜とはいえ、結構な人だかりで賑わう。
ボロ市と言っても、今はあまりボロは売っていない。農具の名残か、お餅をつくための 臼や杵が売っていた。ここ最近見かけないものなので、かえって新鮮に映る。大きな木を くり抜いた素朴なボウルなども並んでいる。一緒に代官餅、という食べ物屋台もあった。名物らしい。 臼や杵にまみれて、台所用品店も結構多い。まな板を専門に売る店、包丁の店、食器や箸の 専門店などなど。
それと一緒に多いのが骨董屋さん。食器や飾り物などこまごましたものはもちろん、 古いタンスやガラスケース、イスなど 家具もそこそこ置いてある。会社帰りのサラリーマンみたいな人が、 骨董屋の店主とビール片手にわいわいおしゃべりしている。ほのぼのとした風景。 右の写真の骨董屋さんはなんと岩手から来ているんだとか。 少し酔っ払い気味のお父さんが、味のある藍染の徳利をお買い上げしていた。
和の骨董品ばかりでなく、洋風のアンティークも結構出ている。 カラフルなホウロウ製品をいっぱい並べていたり。キッチン用品がやはり多いように感じた。 じっくり探せば掘り出し物が見つかる可能性もあったが、寒いので断念。ゆっくり見たい人は 防寒が必要かも。
ちょっと昔懐かしいキャラクターグッズを集めて売っている店があったり、 フリーマーケット的にガラクタを何でも並べちゃったり。 植木や盆栽、流木なんてものを専門に売っている店まであった。 そしてこういう祭りに付きものなのは食べ物屋台。漬物から野菜、手作りソーセージや 焼き団子、揚げ饅頭などなど、地方産のものも多く、あらゆる食品が販売され、まるで物産展のようになっていた。 小さな子供からお年寄りまで無邪気にはしゃいで楽しめる市。昔に比べて規模はだいぶ小さくなってしまったそうだが、 こういう日本の風習はずっとなくなって欲しくないなあと思う。
気になった2点。左は使い古された小さな鉄の鍋たち。
右は画家が使っていたというテーブル。
足に車が付いていて、どこへでも動く。
日本の骨董フェア一覧(右上「骨董祭」をクリック)
アンティーク雑貨を探すならこちら