顔パス
小銭をがっちりガードする、「顔パス」(お財布)。


かわいいだけの「手芸」に喝!!。手芸は決して女子だけのものではありません。 無骨だって、不器用だって、ハードボイルドだっていいんです。 老若男女、国籍性別職業を問わず、クールにおちゃめで男前な手芸を楽しむ、 謎の団体「押忍!手芸部」。その粋でいなせなスピリットを解明すべく、精神統一!心して 部室の門を叩くのです。

無邪気に自由にわがままに、自分の好きな手芸を楽しむ

部活
某日での公開部活の様子。この日は包帯がテーマ?!
そもそも、押忍!手芸部との出会いは、作品からでした。 国立新美術館のミュージアムショップ、スーベニア フロム トーキョーへ行ったとき、 妙にへっぽこで愛らしい動物が、ふにゃふにゃと視線の隅にまとわり付き、心を捉えて放さなかったのです。 「こ、これは何ですかぁ?」とプレス担当者に聞くと、「ああ、『押忍!手芸部』ですよ。人気あるんですよね~。 どうも男性の部長率いる男前な部活動らしいんですが・・・」。ええーっ!、何なにオッス・シュゲイブってぇ?? 今流行り(?!)のオトメな男子なのだろうか??ますます謎のベールに包まれるばかり。

その後、偶然とある場所で、これまたはじけた作品たちに再会。さらに「押忍!手芸部」の部活に参加できるという情報をゲット! これはもう実態を暴かねば~、と勝手に使命感を感じ、いそいそと部活に潜入してみました・・・。

当日、いきなりどかんと現れたのは手芸部部長。くるくる天パーのロン毛でワイルド系、 見上げてしまうほどガタイのいい体、 そしてハデハデな服装。「ゲゲ、この人が部長っすか・・・」。 手芸=いたいけな乙女の趣味、という方程式は見事に崩れ去ったのでした。

若干びびりながらも様子を伺っていると、「今日はこれを使って好きなもんを作りまーす」。 材料がバケツの中にてんこ盛り。基本のテーマはあるけれど、あとは各自で素材を好きなように取って、何をどう作ろうと自由です。 みんな子どものように無心。部活は和やかに、和気あいあいと進行されてゆくのでした。 そして、最後にはそれぞれの作品発表会。みんな個性的で、突拍子もないものを作っていたりして、 笑いと感動に溢れんばかりです。それぞれが満ち足りた気分で、静かに家路に着いたのでした。

ド素人が集まる、キュートでおちゃめな部活動

ピーちゃん
初期の頃の作品、Pーちゃん(右端のペンギン的巻ぐるみ)
押忍!手芸部は、部長である石澤彰一さん率いる手芸グループです。 2003年に結成され、元々のメインメンバ-は石澤さんの飲み仲間でした。 イタリアンのシェフがいたり、エンジニアがいたり、ヘアメイクアーティストがいたり、 と顔ぶれも賑やか。いっぱしの仕事をしている大人の男性たちですが、みんな手芸はド素人(酒芸は得意らしいが)。 縫い物や編み物ができる人なんてもちろんいないから、 綿に直接ぐるぐる毛糸を巻きつけて「巻きぐるみ」を作ってみたり、 型紙もマチ針も使わず、フリーハンドで布をジョキジョキ。何事も臨機応変! 簡単で、技術がなくても純粋に作ることを楽しめるものを、アイディア勝負で捻出し、 毎回テーマを決めて各自作成します。 ユーモアとダジャレにまみれた、個性丸出しの作品たちが次々に完成され、 大の大人がお互いを褒めあって無邪気に喜んじゃっている、とってもおちゃめな部活動なのです。

そんなピュアな心とテンションの高さを発端に、活動の幅は広がっていきました。 「部活が始まってからすぐ、雑誌の連載の話をいただき、2年間、活動の様子を綴りました。 連載が終わった3年目からは、いろいろなコンペに応募。 青山スパイラルで行われるSICFに応募したら、オーディエンス賞を受賞しちゃったんです。 調子に乗って愛・地球博にも応募。ここでも、とよたモノづくり大賞 奨励賞をもらいました。 毎回賞をもらい、いろいろなイベントに参加するようになって、みんなも俄然やる気が出ちゃって。」


連載
画文家・大田垣晴子さん編集の O[オー](筑摩書房)で活動を2年間連載。


面白そう~、と噂を聞きつけた、家族や友人がジワジワと巻き込まれ、 気づけば大所帯となった押忍!手芸部。 最近は「公開部活」を行って、誰でも参加できるワークショップも開催しています。 「手芸はコミュニケーションツールのひとつでもあります。 人と出会うのが楽しいし、もっといろんな人と手芸部をやりたい。 部活のためならどこでも出張しますよ。そのうち企業の社員研修などもやりたいと思っています。」 と部長の石澤さん。 また、今までの作品は小物やおもちゃが多かったけれど、今後は洋服などファッション分野にも 進出予定だとか。 「でもここは押忍!流に、デザイン画も型紙もナシで、着られるものを作ってみたい。 目指すは東京コレクション?!夢は紅白で、北島三郎さんの衣装を作ることです!」。 ぜひ夢を叶えて欲しいものです。

部長
陽気でお茶目、でも実はシャイで誠実な部長、石澤彰一さん。


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