医者の不養生は困るので……
日々、多くの患者さんと接する中で、がんや生活習慣病の治療においては、やはり早期発見・早期治療が大切だと痛感してきました。しかし、それなりに多忙な毎日のなかで、なかなか日程が組めない……という言い訳の毎日。でも、医者の不養生という言葉もあります。40も越えて、厄年も迎えて、一念発起! 初めてのがん検診を受けてみることにしました。今回は「そろそろがん検診かなぁ」という方に向けて、利用者目線を交えながら、ガイドのがん検診体験をお届けします。
がん検診を受けるまでの流れ
初めて受ける人間ドック。多少、緊張しながら言ってきました。
健康診断や人間ドックをメインで行っているところです。大阪の中心地にほど近く、私も車で前を何度も通っていたのですが、おしゃれで今風な建て方で興味津々でした。
あらかじめ、電話で予約をし、受診日を決定。数日後、問診票が送られてきました。私の場合には便潜血の検査もあったので、その検査キットも一緒に受け取りました。問診票は、事前に記入して郵送。検便は受診日近くに採集し、当日に持参するという流れです。
翌日の検査に控えて、前日は、午後9時までに食事を終わらせ、就寝までは水分はOK。当日は食事も水分も摂らずに、クリニックに向かいます。ホテルのエントランスのような扉を抜けて入り、受け付けカウンターで名前を告げると、検査を受けるフロアまで案内して下さいました。
このクリニックは、人間ドックの他に、一般的な健康診断、企業検診も行っているのですが、少し受け付けが異なるようです。今回は、PET検査を含むいわゆるがん検診でしたので、ちょっと特別なフロアに入っていくような感じでした。
待ち時間も快適!? 最近の検診施設の傾向
快適な待合ロビー。空調も適度に効いていて、快適に待ち時間を過ごせます。
次に、待合が快適なこと。診療所の健康診断はどうしても待合が殺風景なことが多いのですが、今回の施設は、本当におしゃれで落ち着きます。雑誌も沢山あって、検査ごとに何度か待ち時間がありますが、快適に過ごすことができました。
最後は、スタッフの方の対応の良さ、でしょうか。医療機関全般に接遇には力を入れているところが増えていますが、自費による人間ドックも受けていることもあってか、スタッフの方の立ち居振る舞い、身だしなみ、受け答えが洗練されていて、正直驚きました。私自身も、多くの患者さんにお出会いしますが、参考になることがたくさんありました。
いよいよ検査開始
超音波検査では、念入りにお腹の中をチェックしてもらいます。ちょっと、ドキドキしている私。
お腹の超音波検査は、医師としてたくさんの患者さんにしてきましたが、実は、自分で受けるのは2回目。お腹の中をしっかり見て頂きました。指示にあわせて呼吸を止めたりしながら、詳しく見てもらいます。
肝臓や膵臓、腎臓に腫瘍があっても、なかなか症状は出てきません。しかし、超音波検査では画像の異常としてチェックすることができます。ただ、胃や大腸など消化管の腫瘍は発見しづらい。しかし、もしそのあたりに腫瘍があったときに腫れてくる大動脈周囲のリンパ節は詳しく見ることができます。早期発見は、早期治療につながる重要なことですから、時間をかけてじっくり見て頂くことは、安心感にもつながりました。
ただ、年齢的にも体型的にも脂肪肝が気になる私でした。がん検診体験記(後編)に続きます。