「膠原病」の診断法
医療機関で様々な検査を行います |
膠原病が疑われたら、血液検査、尿検査、X線検査(関節・胸・腹)を行い、時に、CT、MRIといった画像検査、放射線を出す物質を体内に入れて炎症のある部分を見つけるRI検査を行います。膠原病の場合、全身にわたって炎症が起こりますので、全身的な検査が必要になります。関節リウマチなら関節、SLEなら腎臓、皮膚などと膠原病の種類によって炎症を起こしやすい臓器があります。
血液検査がまず最初に中心になる検査です。免疫が暴走し、慢性的に炎症を起こしている場合、血液検査でも慢性的に炎症が起こっている状態が示されます。特に、膠原病は自分を攻撃するわけですから、自分を攻撃する様々な種類の自己抗体が血液中にないか検査します。この自己抗体の種類で、様々な膠原病の中の病気を診断します。
例えば、遺伝子の成分 DNAを攻撃する抗DNA抗体が自己抗体の1種で、この抗体が出ていると、全身性エリテマトーデス(SLE)という膠原病の可能性が高くなります。血液中のリウマチ因子があれば、慢性関節リウマチの可能性が高くなります。
もっと詳しい膠原病の検査法は、下記をご参照ください。
⇒膠原病の検査 >>
「膠原病」の予防法・治療法
膠原病の予防法は、残念ながら現時点ではありません。膠原病は、自分を攻撃する自己抗体がなぜ作られるようになるか解っていません。そのため、原因に対する治療が現時点ではありませんので、治療の中心は、自分を攻撃することを抑えていくことになります。つまり、免疫を抑えていく様々な薬が使われています。- 自分を攻撃する免疫を抑制する薬
ステロイド、免疫抑制薬 - 免疫に関わる白血球を抑えたり、増えないようにする薬
抗ガン剤 も使われる - 白血球の活発にしたり、増やしたりする体内物質(サイトカイン)を抑える薬
免疫抑制薬など - 白血球に攻撃された部分の炎症を抑える薬
ステロイド、痛み止めの薬 が中心になります - 白血球の機能を抑えるために、白血球(特にBリンパ球)の表面にある抗体
抗CD20抗体など - サイトカインそのものを抑える薬
抗IL-6モノクローナル抗体、抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体 など - サイトカインを産生するメカニズムを抑える抗体
最近は、身体に過剰になっている物質を抑える抗体を開発して、治療に使う抗体治療が徐々に行われています。
基本的に上記の薬は免疫を抑えますので、体に侵入する病原体(ウイルス、細菌、寄生虫)に対する抵抗力を抑えてしまうことになります。病気を抑えて副作用を少なくするために、医療機関での薬の調節が必要になります。必ず定期的に医療機関に受診してください。
⇒膠原病の基礎知識