バセドー病(甲状腺機能亢進症)とは
バセドー病は、発見者バセドー博士の名前による病名で、「バセドウ病」「バセドー氏病」とも呼ばれています。日本語で「甲状腺機能亢進症」といった方が、正しく病気の状態を表せているでしょう。甲状腺ホルモンが様々な原因で過剰にでてしまう、若い女性に多い病気です。甲状腺は首の正面にある臓器で、甲状腺ホルモンを産生しています。甲状腺ホルモンは私たちにとって必要なホルモンで、体の酸素の消費量を上げて活動性をあげたり、体に必要なタンパク質を作るようにしたり、体を成長するために必要なホルモンです。このホルモンバランスが正常でなくなることで、様々な症状が起こってしまうのがバセドー病です。
バセドー病の症状
今までつけていたネックレスがきつくなって気づく人も……。急に首が太くなるのは甲状腺の腫れのせいかもしれません
- 甲状腺の腫れ(首周りの太さが変わる)
- 脈が速くなる「頻脈」
- 目玉が出っ張る「眼球突出」
- 体重減少
- イライラや不安などの情緒不安
- 集中力の低下
- 体温の上昇・発汗過多
- 食欲増進
- 下痢が続く
時に、心臓の弁の異常が出たり、肝臓が悪くなったりすることもあるので、上記の症状に当てはまるものがいくつかあったら、まずは医療機関で検査することをオススメします。
バセドー病の検査・診断
上記の症状がある場合は、医療機関に受診します。できれば、内分泌内科がおススメです。耳鼻科でも甲状腺専門にしている先生がいいでしょう。- 超音波検査で、甲状腺の腫れをチェックします
- 血液検査で、甲状腺ホルモンが高い値がどうかを調べます。
- 血液検査で甲状腺刺激ホルモン受容体の対する抗体をチェックします。この甲状腺刺激ホルモン受容体抗体が甲状腺を刺激します
バセドー病の治療
甲状腺の機能を抑える薬(抗甲状腺薬)が中心です。副作用は、白血球減少と発疹。「MMI(メルカゾール)」と「PTU(プロパシール)」が使われますが、妊娠、授乳中は、奇形を起こさず、赤ちゃんへの影響が少ないPTU(プロパシール)が使われます。治療は2年以上行いますが、抗甲状腺薬を徐々に減量し、1日おきに1錠程度の内服で、血液検査を行い、6ヶ月間甲状腺ホルモンが正常なら、薬は中止できます。
しかし、抗甲状腺薬で治療効果が得られない場合
- 甲状腺の一部を切除する外科的な手術
- 甲状腺の一部を放射線で壊す放射線療法
この「バセドー病」は、放置すると、ストレスで発熱、意識消失したり、不整脈を起こし、血の塊が脳梗塞を起こしたりして命にかかわります。バセドー病は自然に治りません。そのため、早期発見し、適切な治療を行う事が大切です。