ED治療薬を手に入れるためには医師の診察を受けて処方してもらう必要があるからです。入手に伴う煩わしさや正規品の価格は手軽に買えるニセモノの横行を招く一因でもあります。しかし、安いからといって、うかつに手を出してはいけません。
医師の診察と処方が絶対条件
ED治療薬の入手には医師の診察と処方が必要。処方薬局でない薬屋さんやコンビニでは買えません
EDに社会的な関心が寄せられているにも関わらず、ED治療薬のストックを切らしている処方せん薬局も少なくありません。もともとED治療薬は患者の生活の質を向上させるための“生活改善薬”と考えられています。
もちろん、医療用医薬品として認められていますが「一時的に勃起不全を改善するものの、病気を根本的に治す薬ではない」ため、医療保険は適用されません。それが、ED治療薬に対する“敷居の高さ”を感じさせる一因になっているようです。
医療施設によって異なる薬の価格
一般的に、厚労省が認定した医療薬であれば、薬事法に沿った法定価格が決められます。しかし“生活改善薬”であるED治療薬は医療保険の適用外ですから、原則的に自由価格で処方されます。自由価格ということは、処方する病院やクリニックによって薬の価格が必ずしも一定ではなく、ばらつきがあるということです。また、ED治療薬の処方ばかりでなく、それに先立つ診察も「自費診療」扱いとなるので、医療施設によって価格差が生じることを心得ておきましょう。
ED治療薬の種類(ブランド)や用量の違いがあるので一概には言えませんが、1錠あたりの価格は封切映画1本分くらいを目安にするとよいかもしれません。心配であれば、病院やクリニックに電話したりインターネットにあたったりして診察の内容や費用を確かめておくとよいでしょう。
厳しい入手方法の陰で横行するニセモノ
ネットで購入できるニセモノは、見た目は本物そっくりでも何が入っているのか分からないので要注意
このように、薬局で自由に買えない不便さは個人輸入やインターネット通販などを通じて粗悪品をあふれさせました。薬の個人輸入はもともと、外国で治療を受けていた日本人や、日本で自国の薬を服用する必要のある外国人のために、便宜的に認められた制度です。
もとより、個人使用を目的として輸入した薬を第三者に販売することはできません。ですから、医師の処方によってしか服用できないED治療薬を売買するのは違法です。
インターネットの通販品に関しては、製薬メーカーによると、そのほとんどが悪質なニセモノだそうです。ニセモノと分かっていようといまいと、服用することによるリスクを負うのは購入者です。時には命に関わることもあります。自己判断で入手し、服用するのは大変に危険です。
信頼できるかかりつけ医でチェックを
ガイドのクリニックには「地方に住んでいるので、電話かメールでなんとか処方してもらえないか」という依頼がしばしば寄せられます。しかし、来院されない限り処方できないのでお断りしています。ED治療薬はサプリメントではありません。最初に説明したように医療用医薬品であるため、「医師の処方でなければ使用してはならない」と厳しく定められているので、胃薬やかぜ薬のように街の薬局で買えないのです。
購入のしにくさにつけこんで流通する怪しげなニセモノは増える一方。こうしたものに惑わされず、自らの身を守るためには、まずは何科でも構わないので、信頼できるかかりつけの医師に相談し、その医師から、ED専門の病院やクリニックを紹介してもらうことが最善の方法です。
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