これをED(勃起障害・勃起不全)に当てはめてみると、「童貞ED」がまさにその典型例となります。一種の心因性EDですが、初体験が不首尾に終わったり、場数が足りなかったりする男性ほど、失敗が尾を引くようです。
しかし、他の心因性EDに比べると、きっかけさえうまくつかめれば、失敗からの立ち直りが早いのも特徴です。今回はQ&Aのかたちをとりながら、童貞EDをめぐる実態をご紹介しましょう。
20代に多い「緊張型ED」や「ヤングED」
Q経験が浅いときには、誰でも自信がないもの
1度も挿入したことがなく、まだ童貞のままです。もう一生、このままできないんでしょうか。自分はこんなに若いのにと思うと死にたいような絶望的な気分でお先真っ暗です。
A:大丈夫。同じような状態から、立ち直った人をたくさんみてきています。若い人、特に20代に多いこのようなケースを私は「緊張型ED」または「ヤングED」と呼んでいます。
このような場合はED治療薬と緊張をとるために精神安定剤とを併用するのが効果的です。
Q:20代前半です。まだ童貞ですが、彼女と初めてのときの失敗が心配で仕方ありません。想像しただけでダメになりそうです。ED治療薬を使ってコトに及びたいので処方してください。
A:う~ん、石橋を叩きすぎるような性格ですね。対人関係の失敗を心配し過ぎる若い人特有の気の弱さの現れです。
そんなに不安ならED治療薬を使ってみるのもいいでしょう。自分を奮い立たせる強い味方にもなってくれるでしょう。
頭の力を抜くことも必要です
Q:童貞です。セックスは数年前に経験しましたが、挿入することができずに終わってしまいました。それ以来、経験がありません。そのときに挿入に失敗したショックは月日が経っても強く残っており、これから先のことを考え本格的に悩むようになりました。
性経験の無さと1度の失敗から、いまでも女性に対して情けないくらい臆病になってしまっています。
A:1度の失敗がトラウマになっているのですね。次はうまくいくかもしれないので、もっと頭の力を抜いてみてはいかがでしょう。
また、思い切って、精神安定剤とED治療薬を取り入れてみてはいかがですか。プロセスにこだわるより、早く成功体験を積んで自信をつけることが一番大事です。
ED治療は案ずるよりも生むが易し
「童貞ED」で悩んでいる患者さんのほとんどは、ED治療薬を処方することで症状が改善します。それは「童貞ED」が他の多くのEDと同様、心因性EDだからです。「案ずるよりも生むが易し」という諺(ことわざ)のように、EDは悩んでいても一向に良くはなりません。ここはED治療薬をのむが易しなのです。
ED治療薬は陰茎海綿体に直接作用して勃起を促します。このED治療薬でEDが簡単に治るのですから、まず、試してみることをお勧めします。
根掘り葉掘りは聞きません
とクヨクヨしているより、まずは思い切って行動を!
EDで悩む方の多くは“小鹿の心臓”の持ち主とも言えるくらい繊細です。ED治療は問診とED治療薬の処方というのが基本になりますが、問診をする場合も、必要以上にED状況を根掘り葉掘り聞くようなことはしていません。
初診のときはクリニックのドアの前を行ったり来たりした挙句、おずおずドアを開けてこられた方が、再診時にはVサインでニコニコして胸を張ってこられるようなこともあります。
ED治療薬が自信をよみがえらせたのは一目瞭然。「童貞ED」は典型的な心因性EDです。その症状の改善はED治療薬が最も得意な分野ですから、挫折からの復活も早く、性欲さえあればあっという間に改善するのです。
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