「面倒な手続きなしに、簡単に入手できないものか」――。そんな心理を巧みについて、今インターネットなどで氾濫しているのが、いわゆる「個人輸入代行業者」を通じて入手する個人輸入品です。しかし、大半は危険極まりない偽物と心得ましょう。決して、誘惑に負けてはいけません。
個人輸入自体は違法ではありませんが……
「正規の販売ルートを通さない悪質な偽物の場合には、健康面で被害がもたらされる恐れも…
日本ではED治療薬は医師の診察と処方箋が必要な「医療用医薬品」として承認されていますので、病医院を受診して処方してもらうことが、「正規ルート」と言えます。
しかし、医療用医薬品の「個人輸入」自体は国も認めており、違法行為ではありません。そもそも、医療用医薬品の個人輸入とは、新しい抗がん剤など、海外では承認され、使用できるが日本では未承認の薬を、患者さん本人、もしくは主治医が特定の患者さん用として個人輸入し、自己責任で使用することを目的に認められている制度です。
この制度の隙間を巧みについているのが「個人輸入代行業者」で、日本での承認のあり/なしに関わらず、インターネットなどを通じて数多くの医薬品を販売しています。
国が「医療用医薬品」として承認している背景としては、それらの薬がドラッグストアで購入できる「一般用医薬品」よりも強い作用や副作用があり、危険を避けるためにも医師の指導のもと、正しく服薬しなければならないためです。
世界60ヵ国にあふれる偽造品
偽偽物は世界中に広まっており、過去には50万錠もの偽造ED治療薬が摘発された事件も
古来「人気の高さと偽物の数は比例する」と言われます。偽物の横行は取りも直さず、正規のED治療薬の実力の証明と考えてよいでしょう。しかし、ことが医薬品の場合、直接体に入るものですから、そのように悠長に構えるわけには行きません。偽造ED治療薬の場合、期待した効果が得られないだけでなく、より悪質な偽物は、場合によっては健康面での甚大な被害をもたらす恐れがあります。
現在、偽造ED治療薬は世界中で製造されており、これまでに、日本を含む世界60ヵ国で発見されているそうです。
摘発された偽造ED治療薬の製造現場は不衛生な場合が多く、さらに、流通経路での品質管理にも問題があります。きちんとした包装ではなく、適当なポリ袋などにバラで詰められていることは珍しくありません。製薬会社の工場で生産されたものとは比べ物にならない劣悪な環境で製造・運搬されているため、不純物の混入による健康被害も報告されています。
健康食品を装った偽物も
健康被害を及ぼす可能性のある医薬品は、正規のものをコピーした偽物だけとは限りません。強壮効果を謳った健康食品の中には、ED治療薬の主成分が検出されているものもあります。これらの健康食品を摂取した際には、重大な健康被害が発生する恐れがあります。厚生労働省は2008年3月28日、ED治療薬の主成分であるシルデナフィルと類似成分が検出された、いわゆる健康食品196品目についての情報を開示しています(詳しくは後述の厚労省のホームページで)。
公開されている製品群からは健康食品を謳いながら、医薬品の成分が検出されています。健康被害の事例も報告されているあるため、十分な注意を払う必要があります。
「性器」に効くのは「正規」のED治療薬です。安心かつ確実にED治療を受けるためにも、ED治療薬は信頼のおける病医院で処方してもらいましょう。
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