リフォーム費用/リフォーム見積りの読み方・諸費用

リフォーム見積りの落とし穴――現場管理費(2ページ目)

リフォームの見積り項目には「現場管理費」「諸経費」などがよく出てきます。今回はそれら経費の値引きを強要してしまって、最安値業者に嫌われてしまったAさんの失敗事例をご紹介します。

大野 光政

執筆者:大野 光政

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「現場管理」はリフォームにとって非常に重要な要素

よくよく考えてみると、Aさんのリフォーム見積りにおいて、総額で最安値を提示してくれたのはB社でした。Aさんにとっては何となく納得のいかない経費に思えた「現場管理及びその他経費」だったのですが、業者からすれば非常に大切な価格の提示だったのです。

ちなみにこの後Aさんはやむを得ずC社にリフォームを依頼しましたが、実際の工事に来るのは職人だけで、現場の確認に来る人はいませんでした。そのため、Aさんが営業担当者に伝えていたリフォームイメージと実際の施工が違ってしまっているのですが、結局その後の手直しもなく、そのままの状態です。しかも、当初聞いていた工事期間(2週間)よりも時間が掛かってしまい、追加費用を請求されることはありませんでしたが、イライラすることもしばしばだったそうです。

設計中
プランを設計し、工事が図面通り行われているかをチェックするのも、重要な作業です。見えにくい部分ですが、やはり経費の発生する部分なのです。
リフォームは職人が工事をしたり、材料を買ったりするだけで出来るものではありません。資格を持った建築士や、デザイン能力に優れたコーディネーターなどが図面を作ったり、その設計を職人に説明したりするのも大切な業務です。そしてその人たちも給料をもらって仕事をしているのですから、経費が掛かっているのは仕方ありません。

リフォームの見積りのおいて、部分ごとの費用に目が行ってしまうことがあるかもしれませんが、一箇所を必要以上に突いて交渉することは、あまり得策ではありません。やはり最終的に重要なことは、工事内容と費用総額のバランスが取れているかどうかということにあるのです。

見積りの不明点はしっかり質問し、説明もしっかり聞く

見積り項目でわからないところを業者に質問すること自体は、決しておかしいことではありません。ただし、今回の事例ではB社は妥当な回答をしていると考えられます。ましてや工事総額は3社の中で最安値であったことを考えると、工事管理をしっかり行うことで、工事中の無駄を省いたり、効率の良い施工を心掛けようと努力している業者だったのかもしれません。

値段だけで施工業者を判断することはできませんが、施主の要望に応えようと努力をしているか、プロとしてアドバイスをしてくれるか、などを検討材料として、信頼できる業者を見つけるようにしましょう。

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