そもそもホルモンって何だろう?

体のバランスをとっている大切な物質「ホルモン」。カラダは様々な物質でバランスが保たれていて、その中でもホルモンという物質は血液の流れに乗って全身的に、比較的ゆっくり作用して体全体の大きなバランスを保つ働きがあります。

こうしたホルモンを外から補う事でバランスを整える事ができます。こんな時にはホルモン自体が薬として機能します。今回はもともと体が作ってバランスを保つように機能している物質の「ホルモン」の薬的使い方について考えてみたいと思います。


ホメオスタシスのためのホルモン

体の成長や代謝など、それぞれのホルモンがあり、その量を調整してバランスを保っているのです。こうした結果保たれるバランスの事をホメオスタシスと呼び、どうやってコントロールしているかは以前の記事「ホメオスタシスってなんだ?[from All About 薬について]」でも解説してきました。誰もが思いあたる所があり、また薬としても一番身近なホルモンに、血糖値を下げるインスリンがあるので、そのインスリンと血糖値の関係を例にとって体の反応をみてみましょう。

食事とインスリンの関係

食事をして、おなかいっぱいになった後30分から1時間程度後、食べた食事は消化されて体に取り込まれ血液中に入り「血糖値」を上昇させます。血糖値は血液中に含まれるブドウ糖の量の事ですが、その血液中の糖を利用したり貯えたりするものがインスリンになるのです。

簡単に流れを追ってみると
  1. 食事を食べる
  2. 口や胃、小腸などで吸収される物質に消化される
  3. 糖分が吸収されて血液中に入る
  4. 脳が血糖値の上昇を感知
  5. インスリンを放出する為のホルモンの分泌を増やす
  6. その刺激を受けてすい臓から分泌されるインスリンが増える
  7. 糖がエネルギーとして利用されたり貯えられる
  8. 血糖値が下がる
  9. 脳が血糖値が下がった事を感知する
  10. インスリンを放出させるホルモンの分泌を減らす
  11. すい臓がインスリンの分泌を減らす

という流れで機能していて、これは食事を摂るたびに私たちの気がつかない所で繰り返されているのです。

司令塔は「脳」
他にも大切なポジションがある

食事
食事の度に繰り返されるインスリンの分泌
すべてをコントロールしているのはで、血液中の血糖値をセンサーが感知して脳に伝え、脳はすい臓にインスリンを分泌させるホルモンで指令をだし、それをうけたすい臓がインスリンを分泌して糖をエネルギーに変えます。その後血糖値が下がってくるとまたセンサーがその事を感知して、これまでの逆の信号を脳に伝え、インスリンの分泌をストップするように働いて血糖値を下げる働きはストップされるのです。ちなみにその働きに対抗しているのがグルカゴンというもうひとつのホルモンで、さしずめアクセルとブレーキのように働いています。

この中の、センサーがダメになっても脳がコントロールできなくなっても、またインスリンがうまく分泌されなかったり、作れなくなってしまっても結果は同じ糖代謝異常、つまり糖尿病という結果につながっていきます。

何らかの原因でインスリン分泌によるコントロールがうまく機能しない時に、インスリンを薬として補う事で、本来体がしているのと同じようにする事が可能です。糖尿病の薬物治療のうちでインスリンの自己注射がこれにあたります。

他のホルモンでも同じ事がいえる

同じような事は体のその他の場面でもいえて、体や環境の変化に対応して微妙にコントロールするようにできているのです。インスリンの他にも甲状腺ホルモン、成長ホルモンや性ホルモンなどもこうした原理に基づいているものになります。このコントロールがうまく機能しないと体調に異常をきたしてそれぞれの症状を示してくるという事になるのです。

ホルモンの薬を使う時に
注意しないといけないこと

こうした調整に必要な物質を補う事で病気の症状などをよい方向にコントロールするものがホルモンを薬として利用する方法です。比較的長く使用しないといけないものが多いのと、使い方を誤ってはいけないものが多いのが大切な特徴です。もちろん他の薬も正しく服用しなくてはいけませんが、このようなお薬を使う事になった時には、特に、医師の指示を守る事と定期的な診察と検査は欠かさないように心がけましょう。


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