/薬の基礎知識

おくすり便利グッズ研究室Vol.5 『治療薬マニュアル』(2ページ目)

新米薬剤師は、薬の添付文書集めがその第一歩です。その内容と同じ、もうワンランク上の情報がまとめられている本の解説です。

執筆者:赤堀 一仁

およそ予想されていたとおり、スピードと携帯性に優れた『今日の治療薬』と情報量に優れた『治療薬マニュアル』という結果になりました。特徴をピックアップして並べた比較表を作ってみました。これを参考に、もう少し具体的に比べてみましょう。実は、この表は画像ファイルなので、画像をファイルごとダウンロードやプリントアウトができます。今度本屋さんに行く時にも利用できるようになっています。

比較シート


表現方法は異なっていますが、医薬品に関する基礎的な情報として考えると、どちらもほぼ同じくらいのようです。しかし、付録の内容を比べると一般ユーザーがこのような本を利用する事に対する出版社の姿勢が見えてきます。一般の人も利用する事を想定している『今日の治療薬』に比べて、あくまで専門家向けで、じっくり時間をかけて調べたい時に使う情報源を目指す『治療薬マニュアル』は少し敷居が高いかもしれません。そうは言っても、『今日の治療薬』で使われているキーワードやアイコンでの表記を使いこなすには専門知識が必要ですが、文章で書かれている注意事項などは、選び抜かれた情報で特に大切な事がわかります。

方向性の違い
そして、電子関連のところに注目すると、ここにもふたつの特徴とこれからの進化の形が見えてきます。PDA(携帯情報端末)にも対応している『今日の治療薬』は、やはり実践現場での利用を想定しています。一方の『治療薬マニュアル』は、今後インターネットによる電子媒体がメインになるかもしれません。MacとのハイブリッドやリーズナブルなWEB利用料、検索ごとの課金ができる点からもデスクワーク型の情報検索にむいています。

まとめ
一般の方にとっては少し難しい内容だったかもしれない今回のシリーズでした。でも、専門用語辞典などを片手にすれば、最初からあきらめてしまう事はなさそうです。お薬とうまくつきあう為にも、こうした本を利用されてみてはいかがでしょう。今度大きな書店にいかれる機会があったら、この記事の事を思い出してみて、実物のページをめくってみましょう。今回の記事がそれぞれの特徴を見比べるお手伝いになれたらうれしく思います。
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