多嚢胞性卵巣症候群(Polycystic Ovary Syndrome)の特徴
・卵巣の多嚢胞性変化
・無排卵月経あるいは無月経
・肥満
・男性化(多毛、低声音)
・卵巣白膜に肥厚
・FSHに対してLHが高値
一番怖いのは不妊をよくわかっていない不勉強な先生のところで、自分がPCOSということを知らずに排卵誘発を受けた場合です。ですから、できる限り専門の先生の所での排卵誘発をおすすめいたします。
それからもう1つの副作用、多胎についてお話しましょう。多胎がなぜ副作用、と言われる方もいることでしょう。実は多胎は2つの側面で副作用と言われております。まず、子供の数が多ければ多いほど母子共に妊娠中毒症等の合併症の危険性が飛躍的に上昇します。
2つ目にもし無事に生まれたとしてもその後の経済的問題とケア的問題というものが発生してきます。よって産婦人科の先生は、双胎(ふたご)まではOKですが、それ以上になるのは避けたいと思っております。
余談になりますが、以前IVF(体外受精)の際に、受精卵を子宮に戻す時は、数の制限がありませんでしたが、今では3個までという決まりがあります。というのも妊娠率を維持して、なおかつ多胎を最小限度に減らす、というぎりぎりの線が3個という数になっているからです。
それからHMGは痛いという方が多いことも書いておきましょう。ヒュメゴン、パーゴグリーンは痛いそうです。フェルティノームPはあまり痛くないということで、あまり痛がる方にはフェルティノームPを使われる方が多いようです。しかし、LH(黄体形成ホルモン)作用を持ったヒュメゴンやパーゴグリーンを使うほうが妊娠の率が上がる時もあるので、痛みだけで薬を選択するのはナンセンスです。先生と相談をしながら決めていくとよいでしょう。
今回は、最も多く使われているHMG-HCG療法について書いてみました。このHMGもHCGも現在、遺伝子組み替えの薬剤を製薬企業が開発中で、2~3年後には登場します。そうなってくると、より細かな設定が出来るようになり、妊娠率が上がり、副作用が減ると期待をしております。また、新しい情報が入ってきたらこのコーナーで紹介をさせて頂きます。