立冬も過ぎ暦の上ではもう冬に突入です。実りの秋、冬の味覚、とおいしいものいっぱいの季節を満喫しすぎで飲みすぎ食べ過ぎになってはいませんか?

「やばっ」と内心思っているあなた自身や、あなたの周りで「胃が痛い」と言っている方に薀蓄を語れるよう、胃炎の解説をしてまいりましょう。

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胃の働きって・・・
胃は食べたものを分解する、「消化」という働きを担っています。消化というのは、食品として口にしたものが体に吸収できるため、細かな分子まで分解する働きの事です。肉や魚などのタンパク質はアミノ酸、ご飯などの穀類は糖にまで分解されて腸から吸収されるのです。

こうした分解は、口ではよく噛み砕かれる事で、胃は酵素と胃酸と蠕動運動などによって分解されていきます。ここで良く考えてみましょう!

ヒトの体もタンパク質でできています。当然胃もタンパク質でできていますから何もなければ胃酸や酵素で分解されてしまいます。胃壁は粘膜で覆われていることでこうした攻撃から守られ、溶けてしまわないのです。

この粘膜の機能が弱まったり、あるいは胃酸や酵素が強すぎたりしてしまうと胃酸や酵素が胃壁を攻撃してしまい炎症を起こしてしまいます。これが胃炎です。空腹時の痛みがあったりしたら、これはもう炎症を起こしていると思って間違いないでしょう。

そして、こうしたバランスには嗜好品や食生活の他にもストレスなどの精神的な影響、ヘリコバクターピロリなどの感染の有無などが影響していて、起こしやすい人がいるようです。くりかえし胃炎を起こしていると次第に潰瘍になり、最悪の場合にはガン化することもあるので侮っていてはいけないようです。

つまり、胃壁を守る粘膜の働きと消化のために分泌される胃酸や酵素のバランスが大切って事なのです。

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できちゃった!
いったん炎症ができると治るには時間がかかります。チビッコがいきおい余ってころんでしまい「かさぶた」ができた時、元どおりに治るには2週間ぐらいはかかるでしょうか?胃壁は、皮膚とは構造が異なっているのでまったく同じとはいえませんが、「組織が治る」という事で考えると同じ時間がかかることは想像できると思います。

胃壁の場合にはそれだけではありません。すり傷ならガーゼをあてて保護をして治るためのサポートができますが、胃の場合には通常1日3回、あるいはもっと多く働かなければなりません。働くたびごとに胃酸や酵素が分泌され炎症を起こしている所も攻撃してしまいます。さしずめ、やんちゃ坊主がせっかく治りかけた、かさぶたを剥がしてしまうかのように・・・

こうして様々な攻撃に耐え、やっと傷がふさがると痛みはなくなりますが、完全に治るにはもう少し時間がかかるのはかさぶたの時にも同じですね。

さて、胃炎が治りにくい事はなんとなくおわかりいただけましたでしょうか。胃炎が急性の場合には、普段からお薬を飲みなれていない人が多いせいか、飲み忘れが多かったり、痛みがなくなったからといって途中で薬を飲むのを止めてしまうケースが多いようです。お酒なんて飲んだりしたら、もうひとりやんちゃ坊主を連れてくるようなものです。

慢性化させない為にも胃に傷を作ってしまった事、その傷はかさぶたの時よりも治りにくい事を理解して、おかかりになった医師がいいと言うまではきちんとお薬を飲む事が大切です。そうですね、条件によって様々ですが数ヶ月は必要でしょう。今やっちゃったら年末年始に苦しむ事がおわかりいただけました?

今回は胃に働く薬の解説の為の前置きの説明記事です。この記事の続編は年末をむかえ、胃薬が必要な頃にお届けすることにしましょう。

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