家庭や通勤、通学途中、職場や学校でのちょっとした切り傷をどう治療していますか? 消毒して傷をおおって、絆創膏を変えて傷の乾くのを待っていますか? 今回は、家庭でできる切り傷の新しい治療方法を紹介します。

※皮下の脂肪が見えていたり、出血が止まらないような深い傷の場合はできるだけ早く医療機関を受診して下さい。

切り傷は水道水で洗おう!

擦り傷、かすり傷、切り傷ができたら消毒ではなく、水で洗浄!
擦り傷、かすり傷、切り傷ができたら消毒ではなく、水で洗浄!
擦過傷(擦り傷、かすり傷)、切り傷が手や足にできたらどうしていますか? すぐ「消毒」という考えが浮かぶかもしれませんね。しかし、まずすべき事は傷を洗う事です。洗うには無菌的な水が望ましいです。そんな水は用意してないと言われそうですね。

実は水道水はほとんど無菌です。痛いですが水道水で傷口を洗って下さい。洗う目的は傷口に、砂やゴミなどの異物を除去するためです。これらの異物があると免疫系の細胞が反応して傷が治る時の邪魔となります。

消毒は絶対しない!
水洗いで化膿菌から傷の悪化を防御

傷を洗った後で消毒はしないで下さい。「消毒しないと化膿してしまわないの?」という疑問が浮かびますね。もともと皮膚は無菌ではありません。実は、皮膚には皮膚の常在菌が多数生息しています。これらの常在菌は皮膚の表面ばかりでなくて毛根や汗腺に生息しています。消毒しても数時間すれば毛根や汗腺からの常在菌で傷口はいっぱいになります。常在菌は皮膚の傷を悪化させるような悪さはしません。むしろ化膿菌の増殖を妨害します。味方は大事にしましょう。

消毒剤は常在菌を含めて、細菌などの微生物を殺す事ができます。一方、傷の治療に活躍する白血球、線維芽細胞(コラーゲンを作る細胞)、血管内皮細胞(毛細血管を作る細胞)、表皮の元になる細胞(毛根、汗腺)にも損傷を与えます。傷を早く直すためにはこれらの細胞に損傷を与えない方が良いのです。

傷口を乾燥させない!

大きめの傷は市販のラップで応急処置。傷口は乾かさないで。
大きめの傷は市販のラップで応急処置。傷口は乾かさないで。
洗った後はどうすべきでしょうか?傷を乾燥させない事が傷を早く直す事になります。傷の部分に滲出(しんしゅつ)した液の中には線維芽細胞、血管内皮細胞、表皮の元になる細胞を元気にする成分が入っています。だから乾燥させてはいけないのです。傷口をできるだけ湿った状態に保ちましょう

絆創膏を選ぼう!

傷口を乾燥させないためにはガーゼがついている通常の救急絆創膏をはってはいけません。傷を乾かさないような新しい救急絆創膏を使いましょう。市販のものとしては「バンドエイド」キズパワーパッドがお薦めです。

面積の大きい傷の場合はラップで代用

擦過傷(擦り傷、かすり傷)のような場合は傷の面積が大きいので市販の絆創膏では覆いきれない事があります。その場合は台所で使うラップで応急処置をしましょう。

傷口を洗ってから傷口の面積よりも大きくラップを切って傷口を覆います。ラップがとれないようにテープ(サージカルテープ)で止めます。ラップがずれないように包帯を巻きましょう。もし白色ワセリンがあればラップにワセリンを塗ってから傷口を覆いましょう。

顔の傷などで、傷跡を軽くするためには、受診して創傷被覆材で覆ってもらう事を薦めます。

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