21世紀の肝臓病は、非アルコ-ル性脂肪性肝炎!
ウイルス性肝炎が少なく、一方、肥満者が多いアメリカでは、非アルコ-ル性脂肪性肝炎について日本より早くから研究を開始しています。例えば、肥満度(BMI)分布に基づいて患者数をある程度推計しています。ちなみにアメリカでは全人口の数%が非アルコール性脂肪性肝炎の疑いがあります。
日本での研究開始されてから10年もありません。日本の患者数を肥満度(BMI)の分布から推定すると約100万人患者がいるという推定があります。日本においてウイルス肝炎が激減しているので、21世紀の肝臓病は非アルコ-ル性脂肪性肝炎となると言われています。
脂肪肝と言われたら…
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まずは減量!それが大切です元々、非アルコ-ル性脂肪肝だった人が飲酒をした場合に脂肪肝がみつかると、アルコ-ル性脂肪肝と診断されてしまいます。ですから、アルコ-ル性脂肪肝からアルコ-ル性脂肪肝炎となった人に、非アルコ-ル性脂肪性肝炎の人が含まれている可能性があります。健診で見つかった脂肪肝を経過観察だけで良い状態と言い切るのは難しくなっています。とはいっても10%~20%見つかる脂肪肝の人に対して全員、肝生検を実施する事は非現実的です。
現在、脂肪肝の持つ人に対して、どういう場合に肝生検を実施すべきかについて議論がされています。血液検査で非アルコ-ル性脂肪性肝炎を発見することは不確実ですが、発見率を高めることも検討されています。例えば、適正飲酒程度の飲酒歴、肥満体で脂肪肝、血液検査で異常がある場合は特に要注意ということになります。
もし健診で脂肪肝と指摘された場合は、まず飲酒歴を確認しましょう。その上で脂肪肝を改善するために減量する事を試みましょう。
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