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コソボ独立、日本政府承認

セルビアから独立したコソボを日本が承認しました。そもそも「国家を承認する」というのはどういうことなのでしょうか。義務なのかそれとも権利なのか。どういう方法で承認するのでしょうか。

執筆者:辻 雅之

「国家承認」とは?

コソボ
新しく独立したコソボと周辺諸国。
福田内閣はセルビアからの独立宣言を一方的に宣言したコソボの独立を承認する閣議決定をしました。コソボ承認は、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランスなど25カ国につぐものとなります。

国家は多くの国に承認されることによって国家としての権利を持つことになります。もっとも、何カ国以上の承認が必要とか、そういう基準はありません。大半の国が承認するかどうか、あるいは有力な国家が承認するかどうか、というところに承認の成否がかかっています。

また、国家を承認する義務のようなものはありません。国連に加盟したからといってその国を承認する必要はありません。現に日本は北朝鮮(朝鮮民主主義共和国)を国家として承認していません。

国家承認の方法

国家承認の方法として、「明示的承認」「黙示的承認」の区別があります。承認を宣言するような行為が「明示的承認」です。

しかしそういうことがなくても、新独立国の大使を迎え入れたりすれば、承認と同じ効果を持ちます。これを「黙示的承認」といいます。

また、国家承認はあくまで相対的なもので、2つの国どうしで効果を持つにすぎません。日本やアメリカがコソボを承認したからといって、そのことがコソボ承認に反対するロシアやセルビアには何の効果ももたらさないのです。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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