文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
誰でも一度は、「日経新聞を読みこなせたら、資産運用がうまくできるかも」と思ったことがあるでしょう。しかし、いざ読み始めてみると、「難しくて長続きしない」という声もよく聞かれます。じつはガイド石原も、文学部出身の全くの経済オンチでした。ところが今では、楽しく経済記事を読んでいます。そこで、挫折せずに楽しく日経新聞を読むコツを、4回にわたって伝授しましょう。第1回目は、<資産運用編>です。
<INDEX>
日経新聞、何のために読む?(1P目)
世の中のストーリーを描ける人になる(1P目)
読みグセをつける、この記事(2P目)
資産運用のために、世の中の流れを知る(2P目)
資産運用のために、お金の旬を知る(3P目)
株式投資は会社の価値を判断すること(3P目)
日経新聞、何のために読む?
気合を入れすぎると、長続きしない! |
日経新聞の朝刊1日分は、新書2冊分の文字量だといわれています。毎日新書を2冊も読んでいる人はなかなかいないはず。紙面全部を毎日読もうと思わないことが、挫折しない読み方の最大のコツです。1日の新聞代は、だいたいペットボトル1本分。その程度の情報収集ができれば、後は読まずに無駄にしてしまっても悔いはないと思いませんか?
そこでお勧めなのが、「自分は何のために日経新聞を読んでいるのか」をはっきりさせて、それを毎日意識することです。資産運用を目的にして読むとしても、例えば「株式投資の判断材料を得るために」「金利の動向を知るために」「最新の金融商品の情報収集のために」「景気の流れをつかむために」など、人によってポイントはさまざまです。ましてや、生活スタイル、仕事の内容、資産運用の方法が違えば、日経新聞の利用目的も人それぞれ。あなたらしさのポリシーをもって読み続けることが、毎日の新聞を広げる時間を楽しくさせるポイントです。
決して無理をしない。自分にとって必要な分野の記事を、拾い読みできれば十分です。そのためには、時間を決めて読むことも良いでしょう。すると生活リズムも整って、一石二鳥かもしれません。
世の中のストーリーを描ける人になる
資産運用の基本は、経済の流れを理解すること。そして、この先はどうなるのかを予測することです。株式投資なら、経済全体や個別企業の業績について。外貨投資なら、日本と諸外国の経済や金利動向、政策についてなど、対象はそれぞれですが、先の予測なしには投資はできないものです。この先がどうなるかのストーリーは、たとえ専門家でも当てることは難しいものです。しかし、日々の経済や金利などの変化に対処できれば、遠い先の予測は当てる必要はありません。その代わり、日々、臨機応変に予測判断を行なう必要があります。例えば、金利が引き上げられたら、世の中や自分の投資資金はどうなるのか、というストーリーを考え、それに基づいた投資判断をその都度行うということです。
とはいえ、日経新聞を手にとって、ただ難しいと思っているだけの人には、「何のために読む」とか「自分らしい読み方を」「ストーリーを描く」といってもピンと来ないでしょう。そこで、次のページでは、日経ビギナーにお勧めの紙面構成を簡単に紹介します。