IMFの意思決定機関(1)-総務会

<IMFの意思決定機関>
IMFの意思決定機関図
IMFの意思決定機関の相互関係。「総務会」「理事会」「専務理事」の3つのキーワードが重要。
IMFの最高意思決定機関は、各国2名ずつの代表によって構成される総務会です。この代表は、各国の財務大臣や中央銀行総裁によって務められるのが一般的です。総務会では加盟国の承認や除名など、IMFの業務の中でも最重要と考えられる事項が決定されます。

総務会は年に1回開催され、各国の総務会における投票権の割合は、出資している金額の割合によって決まります。例えば日本の場合は、出資金の割合は全体の約6%で、総務会における投票権も全体の約6%を保有しています。

IMFの意思決定機関(2)-理事会

しかし総務会は年に1回しか開催されないため、実務レベルの決定を下すには頻度が低すぎます。そこですでにお話した監視や融資業務など日常的な事柄を決定する機関として、理事会があります。IMFの最高意思決定機関は総務会ですが、理事会は日常業務の決定権を総務会から委譲されている形式になっています。

理事会は24名の理事から構成されます。日本やアメリカなど大国は、1国で1人の代表が理事に就任しています。現在の日本代表理事は、元財務省官僚の小手川大助氏です。そして理事以外にも、理事が出席できない場合に備えて理事代理が決められています。大国は1国1理事ですが、もっと小さい国は1名の理事が複数の国を代表することになります。最大では24ヶ国で1名の理事という地域もあります。

理事会で議長を務める者として、理事の中から専務理事が選ばれます。この職は暗黙の了解としてヨーロッパ地域出身の理事から選ばれ続けています。専務理事は理事会の議長を務めると同時に、IMFの最高責任者の役割も担うことになります。

日本が融資する10兆円の意味は?

ところで、昨年11月に開催された世界金融サミットでは、麻生総理はIMFに対して10兆円の融資をする準備があると表明しました。

これに対して「日本が不況なのになぜ10兆円も金を出すんだ」という批判もあります。しかしこの10兆円とは、日本の外貨準備から出されるお金で、普通の予算部分から出されるものではありません。

外貨準備とはそのほとんどが米国債であり、日本国内で使うためには国債を売却してから、それをさらに円に換える必要があります。しかし何兆円、あるいは何十兆円もの米ドルを売却するとなると、米ドルの外国為替市場における価値が大暴落します。昔の橋本政権当時、橋本総理が「米国債を売る可能性がある」という発言をしただけで、米ドルが大きく下がったこともあります。

結局これらの米国債は勝手に売れない不便な資産です。そのために、今回のようにIMFに融資する方向で使うのは、決して無意味な選択ではないと思われます。


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