【CONTENTS】
特に被害が深刻なのはソマリア沖(1P目)
無政府状態のソマリアが主な発生原因(1P目)
海賊退治に動き出す主要国(2P目)
1歩対応が遅い日本、今後は?(2P目)
特に被害が深刻なのはソマリア沖
アフリカ東部にあるソマリア。この沿岸で海賊が頻出している。 |
ソマリア沖の海賊が問題になっているのは、この地域が船舶にとって重要なルートになっているからです。ここはアジア大陸からヨーロッパ大陸へと船が抜けるために重要な地点であり、ヨーロッパからアジアに行く船は、スエズ運河を通ってからこの海域を通り、それからインド洋経由でアジアに行くことになります。この海域は年間に2万隻もの商船が通過すると言われており、海賊にとっては格好のターゲットです。
ここ数年は特に被害の増加が顕著になっていますが、最近日本船が被った被害としては、2008年11月15日に海運会社の「イイノマリンサービス」が運航するケミカルタンカー「ケムスター・ヴィーナス号」がソマリア沖で海賊に襲われ、乗員23名が人質になるという事件がありました。発生から1ヶ月以上経った12月29日現在でも、まだ人質は解放されていません。
アジア~ヨーロッパを船で行く場合は、スエズ運河を通っていくルートが最短。そのためにはソマリア沿岸も通らなくてはならない。 |
無政府状態のソマリアが主な発生原因
では海賊行為を行っているのは誰で、なぜ海賊行為をするのでしょうか? ソマリア沖の海賊に関しては、ソマリアが1992年以来無政府状態にあることが大きな原因となっています。ソマリア沖で海賊行為を行っているのは、ソマリアでかつて漁師や軍人をしていた若者が多く含まれていると報告されています。無政府状態のためにそれまでやっていた仕事で生計を立てていくことができなくなり、海賊行為に走っていると見られています。
物語の中の海賊は剣などを振り回して襲ってきますが、現代の海賊は当然ながら銃やロケット弾を構えて商船に襲い掛かります。銃で襲われたら、武装をしていない商船はひとたまりもないでしょう。
→次ページ。この状況に対して主要国は行動を起こしています。