メキシコ産牛丼やメキシコマグロがメニューになる?
2005年3月に、千葉の幕張メッセで国際食品見本市「第30回国際食品・飲料展FOODEX」が開かれました。メキシコのウサビアガ農相をはじめ、生産・輸出業者ら過去最大の88団体約200人が参加し、盛大だったようです。その場で調理されるメキシコ産マグロのお寿司、チコサポテという柿の味に似た果物、パパイア、健康食品のサボテンなどをアピールをしていきました。ウサビアガ農相は「メキシコから日本への農水産物の輸出額の2005年の対日輸出は昨年の2倍となる10億ドルに伸びる」と見ているようです。メキシコ農業省によると、2004年にメキシコから日本へ輸出された農牧水産品は約5億ドルでした。その内訳の主なものは、次の通りです。
メキシコの営業戦略はいかに? |
豚肉・・・・・・41%
アボカド・・・・11%
マグロ・・・・・ 8%
メロン・・・・・ 6%
2004年は、米国産牛肉の輸入停止がありましたので、メキシコ産のまとまった牛肉が事実上初めて日本に輸出されました。その量たるや、2002年にはたった59トンだったものが、約650トンにまでおよそ11倍の増加となっています。今後は、メキシコ産の牛肉が日本に入りやすくなりますが、メキシコの牛肉は牛丼に向いた味なのでしょうか?気になります。
この協定で、メキシコに豚、鶏、牛肉、オレンジなど約1,200の農産物を開放します。メキシコ側では、今年伸びそうな産品として鶏肉、オレンジ、ブロッコリー、玉ねぎ、アスパラガスなど果物、野菜類に加えて、コーヒー、はちみつなどを挙げています。
一方、日本の大手外食産業購買担当者は、「FTAを意識せず、安全で質が良ければ買う」という品質重視の姿勢を強調しているようです。
FTAのデメリットはないの?
協定ですから、相手の国に自分の都合の良い条件で注文をつける代わりに、相手の要求に応えなければなりません。日本の車が売れる、輸入品が安くなる、でも困った問題も・・・ |
日本は、得意分野の工業製品を外国にたくさん買ってもらいたい、そのために関税をなくしたり、引き下げたりする交渉をするわけですが、その一方で、相手の国の農産物の関税をなくして、その分安く輸入せざるを得ない、ということが考えられます。
そうすると、日本国内でその農産物を作っている農家は、自分の作ったものを泣く泣く安く市場に売らなければならなくなります。そしてゆくゆくは、儲けが出ないなら農業をやめようということにもなって、日本国内の産業構造も変わってしまうということもあり得ます。日本の伝統ある産業をつぶしかねないという危険性も持っているのです。
政府としては、日本の産業を踏まえて、相手国を選ぶ基準をしっかり持って交渉を進めることが大事といえるのではないでしょうか。
【関連サイト】
外国人ベビーシッター解禁へ?(All About「子育て事情」ガイドサイト)
11月の介護業界関連ニュース速報(All About「介護・福祉の仕事」ガイドサイト)
“自由貿易協定(FTA)/経済連携協定(EPA) ”外務省
【関連リンク集】
「海外経済・日本の貿易事情、国際競争」リンク集