「三角合併」の解禁で、外国企業に買い叩かれる日本企業が増える? 写真提供:フリー画像素材EyesPic |
【CONTENTS】
■1ページ…… 買収提案に対抗! サッポロが新買収防衛策を導入
■2ページ…… 「三角合併」とはどんな合併? 「三角」とは何を意味する?
サッポロが新たな買収防衛策を導入!
アメリカ系投資ファンド、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドから、買収を提案されているサッポロホールディングス(サッポロビールの持ち株会社)。3月29日開催の株主総会では、会社側が提案した新たな買収防衛策の導入に対し、出席株主(委任状などの提出を含む)の過半数が賛成に回り、無事可決! 新防衛策には、筆頭株主でもあるスティールが反対していましたが、サッポロ側は懸命の多数派工作を展開。国内の金融機関を始めとした安定株主や個人株主など、多くの株主の支持獲得に成功してほっと一息……。サッポロの新買収防衛策は、20%以上の株式取得を目指す買収者が現れた場合に備え、買収者が現れる前の「平時」に導入する「事前警告型」。上場企業では主流とされるタイプです。今回の総会でサッポロは、従来は取締役会の決議で導入してきた防衛策を、株主総会で承認を得る手続へと変更。株式市場で影響力をもつ機関投資家などが株主の承諾を求める傾向が強まっている以上、その意向には逆らえない?
恐るべしM&A時代、業界3位の大企業も買収のターゲット!
振り返れば今年2月、スティールはサッポロにTOB(※)による買収を提案。ビール類出荷量で業界第3位を占める大企業が、外資系ファンドの買収の標的にされ、経済界には激震が走りました。これに対しサッポロ側は、「提案内容は情報が不十分」と質問状を提出。スティールの企業概要や買収目的・方法など三十数項目にわたる質問に、同ファンドは「内容が細かすぎる」と回答に難色……。今後、敵対的なTOBに動く可能性もある?※ 株式公開買い付け。株式の購入希望者が株数や価格などを公表し、株式市場を通さずに不特定多数の株主から買い取る方式。
さて本題です。企業の合併問題と言えば、注目を集めるのが5月に解禁される「三角合併」。一体、どんな合併なの? 「三角」とは何を意味する? 次のページでわかりやすく解説します! → 次のページへ