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経済学と心理学のビミョーな関係(1) 「あの時売っておけば!」の呪縛

私たちひとりひとりの行動の結果が、経済を動かします。それが、「マーケット」です。日々のショッピング、投資の判断、お給料の相場などと、人の心理の係わりを身近な話題でお話していくシリーズです。

執筆者:石原 敬子

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
なぜあのとき株が下がる前に売っておかなかったのだろう?株式投資をしている方なら、一度は思ったことがあるでしょう。株価が上がっている時は、上がる理由もあったし、「もっと上がるかナ。」と思ってしまうのがヒトのココロ。でも、いつまでも続かないものなんですよね~。しかも、不思議と何度繰り返しても同じ失敗をしてしまって後悔するんですよね~!

そんなあなたのために人間の気持ちと行動も経済活動に影響があるのかどうか?あるならばどんな風に?をお伝えするシリーズ「経済学と心理学のビミョーな関係」です。

■目からウロコ!

2002年のノーベル経済学賞は、アメリカのダニエル・カーネマン教授が受賞しました。その頃、日本では、ご存知「田中サン」ブームでした。

ところが私は、そのカーネマン教授の「行動経済学」に「これだ!」と目からウロコが飛び出す思いでした。私が証券会社勤務時代に、個人投資家であるお客様のココロに触れながら、「どうしてお客様はこんな場面でこんな取引をしてしまうんだろう」といつも感じていたことが、2002年のノーベル経済学賞で紹介されたのです。

■行動経済学ってなに?

心理学的な立場から経済をとらえた経済学の1分野です。今までの経済学は「人間は合理的である」という考えが前提でした。
行動経済学では、人間の心理から、個人の行動や社会現象を観察・分析することをめざしています。この行動心理学を知っておくと、投資をする場面や、ビジネスの場面で選択をする時に、きっとお役に立つことでしょう。

シリーズ第1回はなぜあの時株が下がる前に売っておかなかったのだろう?です。さっそく次のページで、あなたのその心理を突いていきましょう!
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