★ポイント★
<1>ケインズは、一国の消費量はGDP(国内総生産)の大きさによって決まると考えました。
<2>しかし、ケインズの消費理論は、人の消費は、一生涯のことを考えて行うのではないか、所得だけでなく、現在保有する資産によっても消費量は違うのではないかという問題点があります。
第2回は、消費理論の基本であるケインズの考えについてお話します。
ケインズは、一国の消費量はGDP(国内総生産)の大きさによって決まると考えました。GDPが大きくなれば、たくさん生産し、多くの所得を得ているので、当然消費も多くなるという考えです。この考えは、個人でいえば、給料が高くなるほどたくさん消費するという当たり前のことをいっているのです。
しかし、このケインズの消費理論にも以下のような問題があります。まず、人は消費をするときに、現在の所得に応じて機械的に消費するのではなく、一生涯のことを考えて、具体的には老後のための蓄えなども考えて消費をするのではないかという問題点があります。
次に、人は所得だけでなく、現在保有する資産によっても消費量は違うのではないかという問題点があります。これは、同じ給料の人であっても、資産をまったく持っていない人と、資産を100億円持っている人では消費量が違うはずだということです。
以上のような問題点を克服した理論として、次回は、「ライフサイクル仮説」を解説します。
★キーワード★
ケインズの消費理論
(「一国の消費量はGDP(国内総生産)の大きさによって決まる」というケインズの理論。)