【自民党のニューリーダーたち】
小派閥・無派閥出身者が明日の自民党を担えるか?
▼麻生太郎政調会長 政界のサラブレッド、その気質が「魅力」か「命取り」か?
昨年の自民党総裁選に立候補、いちやく脚光をあびることになった麻生氏。経済政策通として知られ、麻生氏自身もそれを全面に打ち出した政治活動を行っています。
所属派閥は10人程度の小派閥河野派(現在はいちおう離脱中)。そのため昨年の総裁選では立候補に必要な国会議員の署名集めでも苦労しました。しかし政調会長という党の重要ポストについてからは、首相・「抵抗勢力」両サイドからも距離をおきつつ、じわじわと影響力を強めてきています。
吉田茂元首相の孫、クレー射撃でオリンピック出場とまさに「ぼんぼん」を地でいくプロフィール。今後は自民党内の基盤強化もさることながら、庶民レベルでの人気獲得が課題となりそうです。
▼高村正彦元法相 「いぶし銀」的存在感でどこまで?
やはり小派閥、高村派(旧河本派)の会長。けっこう地味な人なので「高村ってだれ?」的な感じの人が多いかもしれません。
しかし職務経験は豊富。外務大臣・法務大臣を歴任し、昨年のテロ事件後には政府特使として中東に派遣されました。このとき派遣されたのはほかのメンバーは橋本元首相、森元首相らですから、なかなかの扱いです。
また鈴木氏問題を受けて、鈴木宗男氏がつとめていたあの自民党ODA担当機関「対外経済協力委員会」の新委員長に就任。いざというときの切り札的存在として存在感を増しつつあるようです。
まさに「一家言あるおじさん」たちにうけそうなキャラクター。ただ、そんな通好みっぽい感じで知名度含め国民受けをどうするのか。このまま「未完の大器」「名わき役」で終わってしまうかも?
▼塩崎恭久衆院議員 一気に世代交代狙うか?
麻生氏・高村氏ともに「若い」とはいっても当選回数が少ないだけで年令は小泉首相とかわりません。年令も若い本当の若手をということでこの人もニューリーダーとしてご紹介。
元旧加藤派で現在無派閥の塩崎氏ですが政策通として知る人ぞ知る存在。「塩爺」こと塩川氏が財相になるというニュースが流れたとき、居合わせた記者たちが「塩崎の間違いではないか」といったくらい、若手(といっても50すぎですが)のホープ的存在です。
実際、石原行政担当相らと「四騎の会」を結成、昨年の総裁選の出馬もねらっていたようです。ただ、無派閥で(旧加藤派から)党内基盤は弱い。今の状態だと出馬に必要な推薦人をあつめることすらままならないと思われます。
現在、首相直属の国家戦略本部国家ビジョン策定委員会幹事(政治システム担当)《←長い!》として内閣主導の政治システムを策定中の塩崎氏。今後、小泉首相のふところで政策実績を積みながらじょじょに発言力を増していくことできれば、一気の世代交代の目になれるかもしれません。
●自民党「派閥」の基礎知識
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