物の値段は価格とも呼ばれます。経済では、値段よりも「価格」ということが多いので、ここでは、「価格」という言葉を使います。では、野菜やお魚などの価格はどのように決まるのでしょうか。

物を買いたい人と売りたい人がいます。買いたい量を「需要(量)」、売りたい量を「供給(量)」といいます。(この「需要」と「供給」は経済のキーワードですから必ず覚えましょう!)そして、供給(売りたい量)が需要(買いたい量)より多ければ、売れ残りが出ます。すると、売り手は弱気になり、買い手は売れ残りがあるのだから安くできるだろうと強い立場となり、価格は下がっていきます。結局、売れ残りがなくなるまで価格は下がり、やがて、需要と供給は等しくなります。需要と供給が等しくなれば、もう売れ残りはありませんから、価格はそれ以上下がらなくなります。

また、逆に、需要(買いたい量)が供給(売りたい量)より多ければ、物はすべて売れてしまってもまだ欲しい人がいるという物不足の状態となります。すると、今度は、売り手は欲しい人はたくさんいるのだから値上げできると強い立場となって、買い手は高くても買わないと物がなくなってしまうので弱い立場となり、価格は上がっていきます。結局、物不足がなくなるまで価格は上がり、やがて、需要と供給は等しくなります。需要と供給が等しくなれば、もう物不足はありませんから、価格はそれ以上上がらなくなります。

このように、価格は需要と供給が等しくなるように決まります。ですから、野菜が豊作でたくさん採れれば、売りたい量である供給(量)は増えますから、高い価格では売れ残りが出ます。売れ残りがなくなるまで価格は下がるので、豊作の野菜は値下がりすることになります。「豊作貧乏」という言葉がありますが、これは、豊作でたくさんの量の野菜を売ることができるようになっても、価格が下がってしまうので、かえって儲からなくなってしまうということをいいます。

また、健康ブームで無農薬野菜の需要(買いたい量)が増えたとします。すると、安い価格のままでは需要のほうが多く、物不足が生じるので、物不足がなくなるまで値段は上がることになります。

このように、価格が動くことによって、売れ残りや物不足はなくなり、きちんと、需要(買いたい量)と供給(売りたい量)は等しくなります。これは、非常に便利な機能で、価格機能(価格メカニズム)と呼ばれています。

現実には、売れ残りがなくなるまで価格が下がるということは、魚や野菜などの生鮮食品や、株式、外国為替(円とドルの交換)などの金融商品では見られますが、自動車などの工業製品ではあまり見られません。この点については、別にお話したいと思います。

★今回のキーワード★
価格 需要 供給 豊作貧乏 価格機能


経済のキホン-価格と市場-
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