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マニフェストって何?(2ページ目)

今度の衆院選挙はマニフェスト選挙といわれますが、はたして「マニフェスト」って何? 今までの公約と何が違うの? 解説してみました。

執筆者:辻 雅之

1ページ目 【マニフェストって何?】
2ページ目 【マニフェストで政治も変わる?】

【マニフェストで政治も変わる?】
公約したことの実行力が問われる


こちらも要チェック! 政治についての基本知識と基本用語

Q:マニフェストといままでの公約の違いはなんですか。

A:今までの選挙公約はたんに「福祉国家の実現」「平和憲法の護持」など理念的なものにとどまっていました。マニフェストで示されるのは「政策パッケージ」です。「福祉国家の実現」をめざすために、「消費税を上げて年金の財源にする」「税制をこのように改正して財源を確保する」などという具体的なやり方を示すのです。

もう一つの違いは、これが立候補者を拘束するということですね。前のページでもいいましたが、マニフェスト本位の選挙を行おうとするなら、「党はこういってるけど自分の公約は違います」という候補者がいては話になりません。

話を変えると、今まで少なからずみられた「私はこういう公約をしましたが党の反対にあってできませんでした」という無責任な態度をとることも許されなくなるわけです。

Q:具体的な公約を打ち出すということは、その実行力も問われるのでは?

A:その通りです。公約を実行するためには、選挙に勝って政権をとった政党は、実力のあるものを大臣に選んで内閣をつくらなければなりません。

イギリスでは野党が「影の内閣」を作り、マニフェストの立案を始め、日々政策の研究をしています。そうしないと、自分の党が政権をとったときに、公約の実行ができないからですね。

Q:今回各政党がマニフェストを出している、または準備中ということですが。

A:しかし連立政権を組んでいる自民党・公明党・保守新党は統一したマニフェストを作るべきだったかもしれません。そうしないと、「わが党はこういう公約を出しましたが、連立政権内の協議の中で採用されませんでした」という無責任な話になりかねませんからね。

マニフェストは労働党・保守党の二大政党制のなかで発展してきたものです。日本のような多党制の国の実情にあわせたマニフェスト作りも必要なのかもしれません。6つも7つもマニフェストがあったら、有権者も混乱しちゃいます。

Q:それにしてもマニフェスト、ちょっとみたくなりました。

A:すでにホームページで公開している政党もあります。こちらからのぞいてみてはいかがでしょうか(政党の公式HPにリンクしています)。
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