■戸建てでも修繕積み立て費が必要
分譲マンションを購入すると、管理費のほかに、修繕積み立て費というのを毎月納めます。ご存じのように、これは修繕計画に沿って、将来の修繕を適切に行えるように、その費用を積み立てているわけです。
では、一戸建てはどうでしょうか。当然のことながら、だれかにルールを決められて、毎月いくらというように、修繕積み立て費が徴収されることはありません。しかし、戸建ても、マンションと同様に築年数が経てば、何らかの手を入れる必要が出てきます。
修理などで、お金が必要になったときに、手持ちの資金がまったくないということでは、大変です。そのときの費用も念頭に入れておかないと、手を入れないといけない時期を逸してしまい、建物に致命的な劣化を見逃すことになるかもしれません。
■家の一生のコストで費用をとらえる
このような側面から考えていくと、家を建てたとき、いや、建てる前から、竣工後のメンテナンス費用について考えるべきだということがわかっていただけるでしょう。そして、その場合、竣工後15年、30年という長期的な視点で見るのと同時に、年間、月々という短期的な観点でとらえていくことが必要になります。つまり、毎月の家計費の中に、家を維持していくコストを計上して、管理していく感覚です。
住宅を新築してから、住まいを美しく快適に維持して続け、住まいの寿命が終わるまで、つまり家の一生にどのくらいのコストがかかるのか、耐用年数が60年の住宅と、30年の住宅を例にシミュレーションしてみました。