なぜ、このような制度ができたの?
前出の対象となる製品(9つ+5つの製品)は普及率が高い製品であると同時に、経年劣化による重大事故の恐れが高い製品。にもかかわらず、一般の家電製品のように一定期間で壊れるという認識がなく、安全に使うために保守が必要であるとか、製品の寿命に対する正しい理解もないようです。そのため、不具合があってもそのまま使い続けたり、完全に壊れて動かなくなるまで点検も補修もせずに使い続ける人が多いのです。エアコンは長期使用製品安全表示制度の対象製品です。購入したら、表示を確認してみましょう |
そこで、部品の保有年数や耐久年数などから目安となる「設計上の標準使用期間」を各製品に明示するとともに、9つの製品については消費者に所有者登録が法律で義務づけられたわけです。
法律が改正される前の製品は点検してもらえない?
「長期使用製品安全点検制度」「長期使用製品安全表示制度」の対象となるのは2009年4月以降の製品ですが、もともと重大事故が発端となって制度が創設された制度なので、各メーカーでは問い合わせがあればそれ以前の製品であっても、対応してくれるところが多いようです。気になることがある場合は、以前の製品であっても、メーカーに連絡してみましょう。設計上の標準使用期間を超えて使うことはできない?
見た目は問題なくても、部品などが摩耗・劣化していることが考えられます。部品交換など適切な処置を施せば、表示されている「設計上の標準使用期間」を超えても、そのまま使える可能もあります。しかし、ほとんどの製品の性能部品保有年数は製造終了後6年が目安です。メーカーや機種によってはもう少し長く部品を保管していたり、代替品でまかなえるケースもあると思いますが、不具合の原因がわかっても補修できない場合があることも理解しておきましょう。また、逆に言えば、特に問題がなく、メーカーに部品が保管されているときに点検を受け、部品交換などを行っておけば、製品を長く安全に使える可能性が高まるということが言えます。
住宅の中には、不具合を放置したまま使い続けると、火災や死亡など重大な事故につながる製品がいくつもあるということがわかっていただけたでしょうか。私たちは品質のよいものを選び、大切に長く使うべきなのですが、各製品には寿命があること、長く使うためには保守点検など手間と費用をかけなければならないということをしっかりと認識すべきだと思います。