“お中元(おちゅうげん)”
夏野菜の盛り合わせの室礼
“大暑(たいしょ)”
7月24日頃、雷雨とともに梅雨が明けると真夏の酷暑がはじまります。蝉が鳴き、土用の入り。土用とは本来四季それぞれにあり、立春、立夏、立秋、立冬の前18日間をいいます。現在では立秋の前だけを指すようになりました。寝苦しい夜が続きます。うなぎを食べてスタミナをつけ、ゴザの上でのお昼寝などいかがですか。最上質のいぐさで編まれたゴザは、さらりとして肌に気持ちがいいものです。
“立秋(りっしゅう)”
竹の花かご
8月7日頃、暦の上ではもう秋、まだ暑さの盛りといえ、ご挨拶状には、残暑見舞いになります。夕暮れにはひぐらしが鳴き、雲には秋の気配が漂うようになります。少し夜が長くなってきます。主照明を消して、和紙のランプスタンドなどで光の陰影を楽しみながら、グラスなどをかたむけてはいかがですか!
“処暑(しょしょ)”
8月23日頃、暑さも盛りが過ぎ、「暑さが止む」という意味です。東京でも朝夕には、涼風が吹きわたるようになります。子供たちの夏休みも終わりに近づきます。そろそろ、夏の道具たちの片づけに取りかかりましょう。すこし早めに早めに取りかかることが、インテリアを優雅に楽しむコツです。このように、暦をたどりながら思うことは、日本人が生み出してきた行事には奥の深い意味があり、豊かなインテリアの表現にたどりつきます。戦後、たくさんの外国の文化やモノを取り入れ、両手いっぱいにモノがあふれ、物理的にも精神的にも病んでしまった気がします。この機会に歳時記を見直し、季節の移り変わりを取り入れた芳醇な暮らしかたを取り戻し、日本独自の暮らしの文化を世界に誇りたいものです。
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