デッサウ・バウハウスから石畳の街道をまっすぐに、5分ほど車に揺られました。その道の両脇にシンプルでモダンなマイスターハウス(バウハウスの教職員用住宅)が木立の中に白い姿をみせていました。車を降りて、4月とは思えない冷たい空気に驚きながら、しゃれた白い建物の脇の小高い丘をかけあがるとそこには、大きな川が水量たっぷりと滔々と流れていました。チェコからドイツを経てハンブルクで北海につながるエレベ河でした。
コーンハウスの由来は、18世紀には賑わっていたエレベ河を使った搬送は鉄道の発達により衰退し、穀物倉庫は1871年に取り壊されてしまうのですが、木造の酒場はそのまま残され、1930年にはバウハウスの思想を取り入れた鉄筋コンクリートの建物に建て替えられました。
レストランになっている所は、丸くカーブした全面ガラスに覆われて、スラブは張り出し持ち上げられています。この写真の左側にエレベ河があります。
レストランの内部です。カーブを描く大きなガラス窓からは、ゆっくりと流れるエレベ河が見渡せ、燦々と光が差し込んでいました。床のデザイン、カーテン、照明、額絵、全てがモダンなデザインで計算され、80年前の空間が現代にマッチしていて、なんとも居心地のよいレストランでした。
エレベ河に面したテラスにはオープンカフェが。白い外壁にグリーンの窓枠、赤い照明器具がかわいいですね。天気の良い日にコーヒー片手に、何時間も河の流れを見ていたいと思いました。
<おまけ>
お食事、すごくおいしかったのです。実はドイツ料理のボリュームにウンザリしていたので、スープ、サラダ、メインの肉料理、デザートにコーヒーの軽めのランチ。インテリアが素敵なレストラン=おいしさもGOODなのが定義です。テーブル席の真ん中に、食器がディスプレーされています。チャイナ風にうまくミックスされていました。
(C)June.2002 Photo by kanno
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