インテリアコーディネート/カフェ・レストラン・ホテルに学ぶコーデ術

金沢が誇る金箔文化「箔座ひかり蔵」(2ページ目)

金沢が誇る純金箔の技と、日本の伝統的な左官の技から生まれた、世界でもめずらしい仕上げの「黄金の蔵」を紹介します。

菅野 民子

執筆者:菅野 民子

インテリアスタイル実例ガイド

2008年度北陸建築文化賞受賞した「箔座ひかり蔵」

 
 

金箔を使ったお土産がところせましと並ぶショップの中を抜けると、ガラス戸の向こうの中庭に突然に金箔にくるまれた蔵が現れます。純金プラチナ箔で仕上げた外壁の迫力ある美しさは圧巻です。ひかり輝く外壁は、薄暗い中庭に植えられた木々の緑が残す陰とあいまって、静かで厳かな佇まいさえ感じさせます。内部には、たった一つ椅子が置かれ、静寂に鈍く輝く空間になっています。この「箔座ひかり蔵」は、金沢工業大学教授・水野一郎+金沢計画研究所が企画設計したもので、2008年度北陸建築文化賞を受賞しています。

この「箔座ひかり蔵」は、金箔の迫力や美しさを間近に見て欲しいという思いだけでなく、「金箔をつくり続けている職人に、自分たちのつくった金箔がどんなに美しいものが、残す価値があるものか、をぜひ何かの形でみせたい…」という思いがあったようです。

外壁は“ベタ金”、内壁は“枯れた金”というテーマ!

 
 

この蔵は、金箔を使った二つの技法でつくられています。一つは、高岡製箔の世界で初めてという、“純金プラチナ箔”を蔵の外部壁に張った“ベタ金”というキラキラと輝く金箔。もう一つは、内部の土壁、泥あいに“金箔のはらい落とし仕上”という純金箔24Kを使った画期的な仕上げ、マットな“枯れた金”です。これは、TV番組などで、現代のプロフェッショナルとして話題を呼んでいる左官技能士・挾土秀平さんの技によるものです。


金箔は日本だけのものでなくフランスやイタリア、韓国、インドなでつくられています。中でも日本の金箔は、極限まで薄く延ばし平面や曲面に張る技術は日本独自に発達した世界に誇る技(わざ)ということできます。近年では、金箔の技術が進み、日常工芸品だけでなく、インテリアや建築分野でも多くの可能性が秘めた素材になっています。


<DATA>今回の素敵空間
箔座ひかり蔵

<関連サイト>
左官 挟土 秀平(はさど しゅうへい)
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