随所に楽しい演出がある巨大集合住宅「ROKKA」
「ROKKA TERRAZZA」は、谷内田章夫さん(谷内田章夫/ワークショップ)が芦花公園に建てた大規模デザイナーズマンション。6年がかりのプロジェクトというこの巨大集合住宅のハイライトを見せていただきました。人工地盤の上に26~56m2のフラット住戸が90戸、43~67m2の吹き抜けのあるメゾネット住戸が56戸。なんと合計146の賃貸住宅が、3階と5階が通路でリンクされている5棟の建物の中に収められています(N棟52戸は別の設計事務所が担当)。
建物の中には、グリーンだけの大きな中庭があったり、ストリートに面して戸建て感覚で住居が並ぶという仕掛けの地上階の部分があったり、ルーフテラス上のパーゴラ(藤棚)があったりと、随所に楽しい演出があります。さっそくその中の3軒をご紹介しましょう。
密なコミュニケーションを期待させる部屋
無機質にも見えるスチールの階段 |
おもしろいのは、この上階の床面が吹き抜けの対角線上を横切っていること。つまり上階が、雁行するバルコニーのように吹き抜けの中につくられたような印象があることです。この遊び感覚はいいですねー!
上階はバスルームがありますから、こちらがプライベート空間(寝室)ということですが、階下のリビング(パブリック空間)とここはきわめて不完全な境界によってリンクし、互いに干渉しあう。そんな密なコミュニケーションを期待させます。
しかもこの部屋のメリットは、2層分の高さを持つ大開口部の、もっとも高い位置から外景を眺望できるということ。これは上階の床が舳先のように、ギリギリで開口部のある南面と接続しているからですね。ここからの眺めはサイコー!でした。