東京都内では来る2月中旬から下旬にかけて、保育園の入園可否が発表されるが、保育園を利用できない待機児童数が今年も恐ろしい数になりそうだ。ますます狭き門になっている保育園・幼稚園の現状。万が一、保育園に入園できなかったらどうすればいいのか。この辺の事情を「保育園・幼稚園」ガイドの猪熊弘子氏に聞いてみた。

「幼稚園・保育園」ガイド猪熊弘子

「幼稚園・保育園」ガイド
猪熊弘子

「私の周りでは、新年度からの認可保育園の入園申請をした人で“入園できた”、“入れそうだ”という声はまだ聞いていません。体感ですが、この状況は明らかに昨年よりも悪いです」

同氏は思わず大きなタメ息をついた。子どもを保育園に入れたくても入れることができない。まず、その保育園について説明してもらわなければ話が進まない。

「保育園には認可されているものと認可外のものがあります。平たく言えば、認可とは一定の基準を満たしていることを自治体が認めて、お金の支援を受けて運営されているもので、認可外はそうでないもの。当然その分、子どもにかかる費用には差があります。認可保育園では親の収入や子どもの年齢によって保育料も変わってきますが、東京の場合、0~2歳児の子どもにかかる1カ月の保育料は最高額で5~6万円程度、3歳児以上で約3万円程度。かたや認可外では0~2歳児が8~10万円、3歳児以上では4~5万円程度でしょうか。認可保育園に入れるのは至難の技だという認識が広まっていますが、年度途中になると認可外でも難しいんです。良心的な認可外は数が少なく、探すのも大変。ある認可外保育園の園長先生によれば、4月入園のために見学に来た人の数は半端じゃなかったと聞いています。圧倒的に足らないんですよ、認可保育園の数が」

認可外にも空きがなく、1時間2000円というホテルのベビールームを利用せざるを得ない父母もいるという。10時間で何と2万円。よほどの稼ぎがあるか、会社が負担でもしてくれない限り考えられない料金だ。それでも背に腹は変えられないと利用せざるを得ない現実があることが恐ろしい。

果たして今後はどういう展開になるのだろうか?

「今の民主党政権下で、前政権以来引き続き検討されているものとして、直接契約制というものがあるんです。これは、認可をやめて、親が直接、保育園と交渉して入園を決めるというもの。こうなると親の負担は増すばかり。それどころか、経済力や情報力、精神力という3つの力のある人しか入れなくなってしまう」と現状は悪化の一途で、同氏は怒りを隠さない。「制度を変えてもどうにもならないんです。どうにか財源を確保して、認可保育園の数を増やしてもらうしかない」と強く訴えている。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。