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学校現場がピンチ! 「小1プロブレム」って何?

都内の公立小学校を対象にした東京都教育委員会の調べによれば、いわゆる「小1プロブレム」が発生している学校の割合は、4校に1校。その深刻ぶりが伺えるようだが、そもそも「小1プロブレム」とは、どんな問題を指すのか? オールアバウト「受験」ガイドの伊藤敏雄氏に詳しい話を聞いた。

執筆者:All About 編集部

都内の公立小学校を対象にした東京都教育委員会の調べによれば、いわゆる「小1プロブレム」が発生している学校の割合は、4校に1校。その深刻ぶりが伺えるようだが、そもそも「小1プロブレム」とは、どんな問題を指すのか? オールアバウト「受験」ガイドの伊藤敏雄氏に詳しい話を聞いた。

「受験」ガイド伊藤敏雄

「受験」ガイド
伊藤敏雄

「小1プロブレムとは、入学した時点で、基本的な生活習慣が身についていない子どもが、授業中に騒いだり、勝手に動き回ったりして、授業が成り立たないケースのことをそう呼んでいます。以前も、こうした子どもは存在しましたが、たいていは、4~5月でおさまり、その後は落ち着くのが普通でした。それが昨今では、数ヶ月に及ぶケースが目立ち、中には、1年ぐらい続くケースもあります」

プロブレムの長期化が進んでいるようだが、この現象は、いつごろから問題化したのか? 

「2000年ぐらい、ちょうどゆとり教育の一環として、学校週5日制が始まったころから、徐々に見られるようになりました。その後2005年に、新潟県の教育委員会が、『小1ギャップ』という言葉で表現したのがきっかけで、教育問題としての認識が広がるようになりました」

では、その原因はどこにあるのか? 

「30人以上の大人数の学級がまだまだ多いこと、ベテラン教師の指導手法が現在の教育にマッチしないなど、原因はさまざまです。その中で、最大の原因と考えられるのは、コミュニケーション力が低下した子ども、具体的には他人の話を聞けない子どもが増えたこと。教師の指示に従わない、指示の内容が理解できないなど、学校生活になじめない子どもが増えています。その背景要因としては、少子化やゆとり教育などの問題が挙げられます」

他人の話に耳を傾けるというのは、社会生活の第1歩。こうした状況にあって、学校側はどんな対策をとっているのか? 

「現場では、1.担任教師とは別に補助教員をつける、2.各学級の少人数化を図る、3.教師や保護者の間で問題意識の共有を図る、4.学校と保育園などとの交流を進める、といった取り組みが行われています。特に、関係者の間で問題意識を共有することや、保育園から学校へスムーズになじめるような環境づくりが、大切だと思います」
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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