米大リーグでジャッジすることを目指して2005年に渡米した元パ・リーグ審判の平林岳さん(43)が今年、日本人として初めてメジャーの審判に昇格するかもしれない。昨年4月、3Aの審判に昇格、今年のオープン戦でメジャーの審判を任せられれば“バケーション・アンパイア”としてメジャーデビューの可能性が広がる。

この平林さんのように、日本人として、選手だけではなく、審判、球団関係者、指導者などですでにメジャーで活躍したり、目指している人は少なくない。具体例をオールアバウト「野球・メジャーリーグ」ガイドの瀬戸口仁氏に聞いてみた。

「野球・メジャーリーグ」ガイド瀬戸口仁

「野球・メジャーリーグ」ガイド
瀬戸口仁

「いますね。目立ったところでは、広岡勲氏を挙げたい。彼はもともと報知新聞社(スポーツ報知)の記者でしたが、巨人担当となり松井秀喜と出会ったのが全て。松井秀の信頼を得て、ヤンキース入りする際に乞われて専属広報になりました。数多い取材を混乱なくさばけたのは、広岡氏の手腕によるところが大きいし、メディアにとってはありがたい存在ですね。今年から松井秀はエンゼルスに移籍しますが、広岡氏も一緒に移ります。まさに一心同体です」

「もう1人、球団フロントで挙げたい」と瀬戸口氏が言うのは、日本ハムGM補佐、吉村浩氏だ。

「彼ももともと日刊スポーツの記者だったのですが、パ・リーグ事務局へ転職。ここでメジャーへのつながりを持ち、海を渡り、デトロイト・タイガースで3年間、球団経営の仕事に携わりました。この時期に木田(現日本ハム)がタイガースのユニホームを着ています。帰国後、星野監督(当時)に乞われて阪神フロントへ、そして、高田GM(現ヤクルト監督)に誘われて日本ハムのGM補佐になっています。メジャーでの経験が生きている好材料。今や選手は日本→メジャー→日本でのプレーがトレンドになっていますが、吉村氏は球団フロントでの先駆けですね」

では、指導者ではどうか?「現場的にいうと、選手の次は指導者ですが、これは壁が厚い」と同氏はいう。

「メジャーリーグの監督というのは30人で、アメリカン・ドリームのひとつといわれている職業。その上、日本とは考え方が違うフロントや選手相手で、言葉の問題も大きい。この状況下でも頑張っているのが、ドジャースのマイナーコーチを続けている元横浜監督の山下大輔氏です。山下氏がメジャーの監督を目指しているかはわかりませんが、野球への情熱がないとマイナーのコーチでさえ務まりません。楽天の監督を解任された野村克也氏は“一度でいいからヤンキースの監督をやってみたい。それがワシの夢”といっていますが、いつの日にか日本人がメジャーの監督を務めることは、日本人全ての夢だと思います」

マニエル監督(フィリーズ)やトレーシー監督(ロッキーズ)など日本のプロ野球経験者がメジャーの監督で増えている現状を考えれば、その夢もそう遠くない将来に実現するかもしれない。
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