会社の経営状況が悪化し、給与・賞与が下がる状態のとき、退職金や企業年金が引き下げられることがあります。退職金や企業年金の給付は原則として保護されなければなりませんが、やむを得ない場合に限り、労使間の話し合いのもと引き下げが行われることは認められています。また、制度の継続が困難なため廃止されることもあります。
企業年金制度の場合は減額・解散に当たって厚生労働省の認可も求められ、不要の減額が認められないこともあります。また、企業年金に今まで積み立ててある資産を会社が流用することはできないため、企業の破綻時には必ず社員とOBに分配されますのでいきなりゼロ円になることはありません。
また、401k(確定拠出年金)の今まで積み立ててきた資産はこうした減額の対象外となっています。こちらについては1円も減らされることなくそのまま自分の財産として保全されます。
老後の生活資金の貴重な柱である退職金や企業年金が受けられないのは困ったことです。しかし、会社あっての退職金や企業年金であることも事実です。老後資産準備については、国や企業におまかせではなく、自らもきちんと備えていく意識が必要といえそうです。(なお、会社の業績が回復すれば、会社に残っていた社員の退職金や企業年金が復活することも考えられます)
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