保育園・保育所/保育園関連情報

幼稚園ママvs保育園ママ!新旧育児マンガを読み比べ 『ママぽよ』と『毎日かあさん』(2ページ目)

育児マンガのロングセラー・青沼貴子氏『ママはぽよぽよザウルスがお好き』と、2004年3月に発売されたばかりの、西原理恵子氏『毎日かあさん』を、ガイドが読み比べる!

執筆者:吉森 福子


●読みくらべ-育児は人それぞれ●

『ママぽよ』は10年前の幼稚園ママ、『毎日かあさん』は、2002年の保育園ママ。が、どちらも年齢の近い「兄・妹」の2人の育児生活が描かれている点は同じ。

『ママぽよ』で目につくのは、「できれば、怒らない優しいママでいたい」という思い。
子どもと毎日わいわい楽しくやってるけれど、たまに「あーもうー!」と爆発してしまう。「ああ、私って・・・」となる。

『毎日かあさん』では、その部分はすでにあきらめられているように見える。
「子どもは汚いものが好きで、ぐちゃぐちゃな生活なのは当たり前。私もそうやって育ってきたし」という達観が見られる。

もちろん、『毎日かあさん』でも「字を読めないのはウチの子だけかー!」という部分も見られるのだが、『ママぽよ』の「私って・・・」に比べると、かなり相対化されているように感じられる。

●ここ10年間の、「育児観」の変化●

この違いはどこにあるのか。

もちろん、「幼稚園を選ぶか保育園を選ぶか」という時点ですでに考え方の違いがあるのだろうし、そもそも連載されていたのが「育児雑誌(育児中のママ)か一般新聞(あらゆる人々)か」という、読者対象の違いもあるだろう。

しかし、それだけではなく、「ここ10年間という時代の違い」もあるのではないか、とガイドは考える。

『ママぽよ』の描かれた1990年代前半は、現在に比べればまだ「母親なんだから、○○でなくちゃ」という規範が強かったのではないだろうか。

その後10年たち、いろいろなマンガ家たちが「自分の育児」を表現した後の『毎日かあさん』では、「母親なんだからきちんと」という規範は、もはやパロディ化しているように見える。

その代わりに拠っているのは、著者の西原氏自身が育った、30数年前のふるさとでの子ども時代であろう。

「ちっともきちんとはしていなかったけど、でも私はふしあわせではなかった。だから、自分の子どももそうやって育てていこう。」

西原氏の姿勢は、ガイドにはこのように感じられる。

●今、両方が面白い●

一方、現在でも『ママぽよ』の「できれば優しいお母さんに」という気持ちから完全に解放されているというママは、まだ少ないのではないか。

いや、むしろ初心者ママの多くは、育児をそこから出発させているはず。10年たっても、『ママぽよ』が読み継がれる理由は、そこにある。

『ママぽよ』迷いながら、バタバタ育児『毎日かあさん』ぐちゃぐちゃだけど、達観育児

どちらも、幼稚園ママ・保育園ママの双方に「効く」はず。それが2冊を読みくらべての、結論である。

--------------------------------------------------

育児に疲れた日常を、そっと癒してくれる育児マンガ。直接役に立つものではないかもしれないけど、明日少し元気になれるかも。

いろんな母親がいて、いろんな子どもがいて、いろんな育児がある。そのことに気づくことが、いちばん大事なのかもしれません。
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで人気の保育園グッズをチェック!楽天市場で人気の保育園グッズをチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます