メキシコ料理/メキシコ料理関連情報

メキシコのあっと驚くチョコレート料理(2ページ目)

濃厚な甘さと官能的な香りで私たちを幸せな気分にさせてくれるチョコレート。チョコレートの原産地メキシコでは、ちょっと驚くような食べ方をしているって知っていました!?

佐藤 わか子

執筆者:佐藤 わか子

世界のおうちご飯ガイド

チョコレートの旅

料理の紹介の前に、チョコレートの原産地はどこで、どんなふうに世界に広がったのかご存知だろうか。
以前、ちょっと気になって調べてみたら面白かったので少し紹介すると、チョコレートの原料であるカカオが発見されたのは紀元前2000年頃の古代メキシコ。

カカオの樹。実は枝だけではなく幹にもつき、とても面白い。当時メキシコでは、カカオの種であるカカオ豆はとても高価なもので、うさぎ一兎はカカオ豆10粒、かぼちゃが4粒というように貨幣として、また宗教の儀式には欠かせないものとして珍重されていた。
裕福な階級の人たちのあいだでは、カカオ豆を乾燥してすり潰した後、唐辛子、シナモン、バニラ、とうもろこしの粉、水などを加えた「ショコラトゥル」と呼ばれる苦~い飲み物を、薬用としても飲んでいたようだ。その量は、多い人でなんと1日50杯も飲んでいたとか。(うっ、鼻血がでそう・・・)
昔から、カカオ豆は古代メキシコには様々な面で欠かせない食べものとして位置づけられていたというわけだ。

カカオの木の果実のなかにある種子カカオ豆。テオブロマ・カカオと呼ばれる。テオブロマとは「神様の食べ物」という意味。カカオ豆がヨーロッパへ伝えられたのは16世紀。古代メキシコの征服者コルテスが、この苦い飲み物が疲労回復剤として絶大な効果があることに注目し、多くの財宝とともにカカオ豆をスペインに持ち帰ったのが、チョコレートの旅のはじまり。
やがて苦みをおさえ、飲みやすくするために砂糖などを入れて飲まれるようになると、カカオ豆はヨーロッパ全土へと広がり、イギリスで固形チョコレートが作られ、さらにはスイスでミルクチョコレートが考案され、そして一気に世界中で愛されるようになったというわけ。

古代メキシコで生まれたチョコレートは、世界中を旅し、いまでは日本でも愛されるお菓子になっているが、特にここ数年、東京では高級チョコレート専門店が軒を並べるようになり、注目されている。
日本でチョコレートといったら、もっぱら甘い「お菓子」。しかし、メキシコではいまでも古代メキシコの人々が親しんだ、お菓子としてではない特別な日に食べる伝統的な料理として息づいている。

さて、前置きが長くなってしまったが、さっそく次のページで私が驚愕したメキシコのチョコレート料理と、日本で食べられるおすすめレストランを紹介したいと思う。
カカオ1
カカオ2
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