おまかせコースの幕開けです!
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しみじみとしたおいしさの「鱒の燻製」。 |
まず最初に供されたのは、北海道産の鱒(約3kg)を使った「鱒の燻製」です。ナイフを入れただけでも伝わってくるしっとり感。このしっとり感がとにかくたまりません! そして、口の中で穏やか~に広がる旨み、香りに思わず溜め息。決してガツンと強烈なテイストではないのですが、しみじみとそのおいしさが伝わってくる一品ですね。グレープフルーツの酸味も非常によく合います。ともに添えられているのは、鱒と鯛のタルタルです。
すごすぎます!
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今までの人生の中でも3指にはいる「マナガツオのミレイユ風」。 |
続く2品目、これにガツーン!とやられましたね! 「マナガツオのミレイユ風」といって、しっとりと焼き上げた骨付きのマナガツオと、エスカルゴバター風のソースを組み合わせた一品です。マナガツオは、これ以上なくしっとりとしていて、その旨みもすこぶる強い! まずはこの絶妙な魚の火入れ術に拍手をおくりたいですね。ただ、それだけではありません。これをしっかりと支えるソース、この存在なくして、この料理は成り立ちません! しっかりとしたコク、深みを備えながらも、レモンの酸味で後口はビックリするほどシャープ。マナガツオと切っても切り離せない相性を魅せてくれるのです。気づけば骨までしゃぶりつくしているボク。正直、こういったクラシック系の魚料理では、生まれてからこれまでの27年半の中で最も感激しましたね。
まずは生で!
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一頭の牛からわずか800gほどしかとれないカブリ肉を使用した「牛刺し」。 |
3品目は「牛刺し」です。通常はフィレ肉を使うのですが、この日はカブリ肉でした。
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わさびがホントによく合います。 |
フィレ肉よりも深い味わいで、噛むほどに広がる肉の旨み、香りが印象的。ゆっくりと噛み締めたい、なかなか飲み込みたくない一品ですね。この肉には、鋭角的な辛みの本わさびがホントによく合います。
インパクトある味!
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圧倒的おいしさの「毛蟹のビスク」。 |
4品目も素晴しすぎます! これまでは、コンソメやオニオングラタンスープをいただくことが多かったのですが、この日は「毛蟹のビスク」。口だけにとどまらず、顔全体を覆い尽くすかのような旨み、芳しさ、さらには味の奥行き。口に含んだ瞬間、一気にその豊満な旨み、香りが弾け、忘れたくても忘れられないインパクトある味を脳裏に焼きつけてくれます。ほのかな辛みによって味の裾野が広げられていると同時に、後口に残る余韻もぐっと引き延ばされている感じです。最後のひとくちを食べ終えた頃には、体の芯からぽかぽかぽか。心も体も温まる一品といえます。
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肉料理の前に供される「サラダ」。 |
肉料理の前には「サラダ」が。野菜だけの構成の時もあるのですが、今回は毛蟹と帆立のテリーヌをのせた、ちょっとリッチなヴァージョン。「たかがサラダ」ではありません。サラダ一品にしても気合い充分! コースの中でも欠かすことのできない立派な脇役ですね。
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メインのステーキ(2種)について。