「スッキリ!!」(日テレ)でも紹介した「バンブー」!
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「バンブー」のアントルメ。クリスマスヴァージョンです。 |
また、和食材の使い方にも目を瞠るものがあります。特にここの抹茶使いは素晴らしく、右に出るお店はないといってよいでしょう。オペラを抹茶でアレンジした「バンブー」(750円)、抹茶クリームを詰めた「エクレール オ 抹茶」(550円)は、誰もが認める青木シェフのスペシャリテです。
これを食べずには帰れません!
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「エクレール オ 抹茶」(550円)。アオキのプティ・ガトーでは一番好きな一品です。 |
特に、「エクレール オ 抹茶」の抹茶遣いにはアッパレ! 抹茶の持ち味がこれほどまでキレイに引き出されているスウィーツが他にあるでしょうか。にごり、雑味は一切なく、抹茶の良い部分だけを食べ手の五感に響かせてくれます。そしてその本格的な香味を感じると同時に、抹茶そのものの品質の良さを実感。ボクの中では、間違いなく抹茶スウィーツの最高傑作ですね。
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文句なし! |
パータ・シューはしっかりとした噛み応え。「シュー ア ラ クレーム」同様、適度なコシと軽さ、ストレートな粉の旨みが共存していて、素直に「おいしい」と思えます。豪快にかぶりつくと、ここに抹茶クリーム(抹茶を加えたクレーム・シャンティイとクレーム・パティシエールを合わせたもの)の清冽な香りとまろやかな甘み、そして爽快かつキレイな苦みによってグッと引き立つ粉の旨みが加わり、さらに上にかけられている抹茶風味のフォンダンからは、濃厚な甘みとより奥深い抹茶の香りが醸し出されます。この甘み、苦み、旨み、そしてシュー、クレーム、フォンダンが作り上げる軽さ(淡さ)と重さ(濃厚さ)の重なり合いには思わずうっとり。三者が組み合わさることで後味引き立つ香りができあがり、その香りが鼻孔をスーッと走り抜けていくのです。まさに至福の境地へといざなわれる瞬間ですね。
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爽やかな香りの「エクレール オ ゆず」(550円)。 |
世に溢れる和食材を使ったスウィーツのほとんどは、単に斬新なだけで完成度がいまひとつ…、というのが現状だと思いますが、この抹茶エクレアはそんな中での数少ない成功例といってよいでしょう。見事なまでの「和仏の出逢い」!
和菓子の修業!?
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彩りも美しい「きまぐれ」(550円)。 |
また、青木シェフは以前、茗荷谷の「一幸庵」で、洋菓子に生かすための和菓子の修行をしていた経緯があるため、餡の使い方にも定評があります。適度な歯応えとしなやかなコシを備えたパータ・シューに、クレーム・パティシエール、抹茶クリーム、クレーム・シャンティイ、一幸庵製・丹波大納言小豆のつぶ餡を詰めた「きまぐれ」(550円)は、和と洋の基本となるもの同士を出逢わせた「日仏完全融合」の一品。「きまぐれ」とは思えぬ、見事な和の盛り込み方を実感させてくれます。
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シャルル・プルースト杯味覚部門で優勝した一品について。