鉄道/観光・イベント列車

冬の名物列車、東北・三陸鉄道の「こたつ列車」(4ページ目)

三陸鉄道の「こたつ列車」は、走り始めてまだ数年だが、すっかり冬の風物詩になった。列車のユニークさもさることながら、乗車前から「食」のサービスが始まり、車内でも「食」のもてなしがある。のみならず、乗客をあっといわせる愉快で暖かいサービス精神は、旅の思い出として忘れがたいものとなる。なかなか訪れない場所ではあるが、だからこそ良き日本の伝統文化を体験できる列車とも言えよう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

三陸伝統の風習で「おもてなし」

トンネルの中では真っ暗にして「なもみ」が登場。乗客を歓迎する

トンネルの中では真っ暗にして「なもみ」が登場。乗客を歓迎する

お面を取って優しく観光案内をしてくれる「なもみ」のおじさん

お面を取って優しく観光案内をしてくれる「なもみ」のおじさん

列車には照明があるのだが、あるトンネルに入ったら、照明が消えて車内は真っ暗になってしまった。何故かなと思っていたら、車内後ろからグロテスクな顔をした怪物が2匹現れて各こたつを回り始めた。「なまけものはおらんか」とわめきながら乗客にちょっかいを出す。子供は怖がって逃げようとするが、すぐに捕まえて脅す。化け物は「なもみ」と言って、秋田の「なまはげ」と似たようなものだ。三陸沿岸の化け物「なもみ」登場は小正月の伝統の風習だそうだ。

もちろん人間がお面のようなものをかぶって演じているのだが、地元の観光協会の男性と女性がペアが、この役割を担っている。一通り車内を回ったあと、お面を取って人間の顔になり、乗客を安心させた上で、観光案内を始めた。

その後、「なもみ」は各こたつを回って、「乗車記念カード」を配りながら、写真を撮ったり撮られたりとポーズを取り愛嬌を振りまいていた。

車窓で発見した意外なもの

三陸鉄道の車両の形をした水門が目に留まる

三陸鉄道の車両の形をした水門が目に留まる

車窓で面白いものがひとつあった。田野畑を出てすぐのところにある鉄橋から見えた海岸付近にある水門だ。なぜか水門の上に三陸鉄道の列車が乗っているのだ! よく見ると、それは列車そのものではなく、列車の形をした水門上の建物なのだが、ちょっとした名物のようである。

かくして、久慈から1時間半で宮古着。あっという間の旅だった。名残惜しげに「なもみ」2匹がポーズを取って挨拶してくれ、何人もの記念写真に加わっていた。30分後、列車は久慈目指して折り返していく。また乗ってみたいと思う楽しい列車であった。

(注意)
2014年4月の全線運転再開までは、変更事項が多々あると思われますので、下記の三陸鉄道公式サイトでご確認ください。
三陸鉄道ホームページ

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