地域密着型カフェの成功例
金町という駅名を聞いても、とくにイメージが浮かばなかった私。まず、Yahoo!路線情報でどうやって金町まで行くのかを検索するところからスタートしなければなりませんでした。調べてみると、金町はJRでも京成線でも、有名駅のひとつ隣なのですね。JRに乗るなら亀有駅の隣、京成線に乗るなら柴又駅の隣です。
下町の地域密着型カフェと聞くと、アットホーム感が第一、センスはあとまわし、それはそれで好ましいもの…という先入観を抱いていましたが、今回ご紹介するcafe・hakutaは驚きの洗練度! 「カフェらしいカフェ」をお好きな人がわざわざ足を運ぶ価値のある空間と、地元の老若男女がそんなカフェを楽しげに使いこなしている光景を目の当たりにして、カフェ文化の浸透ぶりを頼もしく思いました。
オーナーは金町で生まれ育った白田真弓さん。六本木のタイ料理店やカフェなどで10年以上にわたり働いてきた経験をもとに、2008年11月、念願のカフェをオープンしました。
古いマンションの1階部分を改装した広い空間に、鉄や本革というハードで男性的な素材を用いながら、ニュートラルなあたたかみを醸す家具が並んでいます。これらは店舗改装を手がけた建築士、伊藤航さんにオーダーしたオリジナルの手作り家具。甘すぎない、シンプルでセンスの良い空間を作り上げています。
明るい煉瓦色の革を選んだゆったりしたソファ(写真上)は、重たい鉄製のフレームに、牛革を手縫いしたクッションを配したもの。のんびりとお茶を楽しみたいグループ客に人気の席です。