あらためて思う「魂のあるカフェ」
カフェ好きの人間がとりわけ大きな魅力を感じるのは、個人オーナーが作りあげるカフェ。そこには、ひとりの人間が、どんな空間を居心地良いと感じ、どんな食べものをおいしいと認め、訪れる人々に何を提供したいかについて考えを重ね、日々、試行錯誤してきた集大成が表現されていることが多いのです。一杯のおいしいコーヒーとともに過ごす時間を大切に思い、それをお客さまに最大限に楽しんでもらおうとすること。そんな精神を「カフェ魂」と呼ぶのかもしれません。
魂のあるカフェと、魂のないカフェ。 その違いは、意外に誰にでもはっきりと感じられるものではないでしょうか。
今回はそんな魂をあらためて強く意識させてくれたカフェ、駒沢通りに建つ一軒家「アヂト」をご紹介しますね。
「まいどおおきに、アヂトです」
それがお店に電話をしたときの第一声でした。
オーナー以下全員が関西人の女性というスタッフのホスピタリティ、決して声高におしつけたりはしないけれどオーナーの胸の中で鮮やかにイメージされている理想、”愛ある放置主義”と称される、ほどよい距離感を大切にした接客、「大人様定食」、「こてこてチーズケーキ」など関西テイストのユニークな名前のついた心のこもったお料理、空間の魅力と、「こうあったらいいな」をみごとに実現したカフェです。