天気や気温調べは8月31日になると新聞に掲載されるので「新聞書き写しただろ」と勘ぐられますし、冷夏では昆虫採集や植物採集もままなりません。大がかりな実験をするにも時間がありません。そこでちょっと視点を変えて、『社会科的自由研究』をやってみませんか。今回私は、『食品の標本』を作ってみることを提案いたします。
傍(はた)から見ますと『やっつけ仕事』のように見えてしまいますが、実は奥が深い、奥が深い。だまされたつもりで作ってみませんか。写真は私の個人サイトからの使いまわしですが、解説はそれよりもたくさん書いてありますのでご容赦を。
今回は缶ジュースの標本を作って見ましょう。標本箱はお中元でもらった缶ジュースやビールのギフトボックスを使うと缶がぴったり入ります(そりゃそうだ)。これはカゴメ100CAN(160g)の箱です。
中はこんな感じです。缶の高さに箱が仕切られてます。
缶を入れてみた状態。同じ大きさの缶でなければ入りませんが、きれいに収めることができます。これは手元にあった缶を適当に入れてみたのですが、それだけでもいい感じです。缶は無理に買わなくてもいいです。道端に落ちているものを拾ってくればタダです。拾った缶はバイキンがついているかもしれないので、中も外もしっかり洗いましょう。
ここまでだったらただのコレクションです。これからが自由研究として大事なところです。まず、ラベルを作りましょう。採集した標本(缶ですね)ひとつひとつにラベルを貼ります。内容は商品名、メーカー、バーコード、採集日と採集場所くらい書きましょう。
ジョージア マックスコーヒー |
利根コカ・コーラボトリング |
4902102009331 |
2003年8月・千葉県千葉市 |
ラベルの作成例
次に、収集した缶から次のことを調べてみましょう。
- どんな会社が缶ジュースを作っていますか。採集した缶以外でも、近所の自動販売機がどこの会社のものか調べてみましょう。
- 缶の形はどのようなものがありますか。缶の大きさや内容量で分類してみましょう。
- バーコードに共通点はありますか。同じメーカー、違うメーカーどうしで比較してみましょう。
- 缶の色にはどんな色がありますか。缶コーヒーでもいろいろな色があるはずです。果汁の場合、果実の色と缶の色につながりはありますか。
- 缶ジュースには必ず『品名』が書いてあります。品名にはどういうものがありますか。
- 原材料にはどのような物が使われていますか。果汁、コーヒー、炭酸など種類別に挙げてみましょう。
- もし缶ジュースを買って集めた場合、実際に飲んでみて、どのジュースがおいしかったか、どのジュースがまずかったか調べてみましょう。
これで夏休みの宿題もバッチリです。できれば何年間か続けてみてください。缶ジュースの歴史がよくわかるはずです。たかが缶ジュースですが、歴史学であり、民俗学であり、経済学であり、家政学でもあります。これが缶ジュース収集の深みにはまってしまう理由ではないでしょうか。