穴場感を感じさせる「美味佳肴 喜の間」。

美味佳肴 喜の間美味佳肴 喜の間
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銀座8丁目の「ヤナセ」が入ったビルを曲がると、そこは小さな路地。外観だけ見ても、真新しいとわかる、つきあたりのビルは、1Fのエレベーターの案内板も、まだ空白のフロアばかり。

それだけに、地下2Fにポツリとオープンした和食店「美味佳肴 喜の間」は、夜の佳肴コースが6,300円とカジュアルながら、まだあまり知られていない穴場感を感じさせるスポット。

店内は、L字型のカウンター席に、掘り炬燵式のお座敷小上り席、最大8名まで入れる個室で構成。料理人は、オーナーの太田さんが15年前から通いつめていたという赤坂のお店の店主・中川さん。

この中川さんの江戸料理35年の経験と、もうひとりの料理人、京風会席18年の佐竹さんが、互いにアイデアを出し合い、2週間ごとに替える献立を創作するのが、ここ「美味佳肴 喜の間」のお料理です。

今回のテーマ食材は、雲丹とイカ!

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左上から時計まわりに。冬瓜雲丹みそ掛け、きゃべつスモークチキン博多おし、日本酒が苦手な女性でもデザートに楽める日本酒で作った梅酒、たらの芽、こごみ、根曲がり竹の炒め物。

ここの特徴は、毎回、テーマ食材が決まっていること。そのため、コース内の違うお料理でも、度々同じ食材が登場します。と聞くと、「また、コレ!」と思ってしまいそうですが、それぞれ、産地や調理法を変えることで、違った味わいが楽しめるよう、しっかり工夫されています。

ちなみに、今回は、雲丹とイカ。なので、本日の先付け「たらの芽、こごみ、根曲がり竹の炒め物」に続き、出てきたのは、裏ごしした雲丹に、イカ、湯葉、かいわれを添え、タマ味噌(卵と味噌を和えたもの)で仕上げた前菜「冬瓜雲丹みそ掛け」。そして、もうひとつは、柚子ゼリー、海老、枝豆、きゃべつスモークキチンをミルフィーユ状にした「きゃべつスモークチキン博多おし」。

なんでも、食材を重ねたものを「博多おし」と呼ぶそうで、柚子のきゅっと口がすぼまる酸っぱさが、このひと品を印象づけるポイント。チキンが生のようにやわらかいのも、後を引く口あたりです。

イカの食感と味わいを食べ比べる。

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雲丹とイカのお造り。

お造りも、雲丹とイカ。でも、タマ味噌で和えられていた、前菜の雲丹とは打って変わって、自然の塩み。醤油をつけてもいいですが、こちらはそのまま食べるのが、最高の美味を味わえ、お勧めです。

イカも、やりイカ、あおりイカと2種類がお皿にのっていますが、コリコリ感のあるやりイカ(細い方)には、絞り生姜汁がかけてあるので、そのままでもOK。一方、やわらかいけれど、厚みのあるあおりイカ(四角い)には、生姜では物足りないので、鮮烈なわさびがピッタリ。添えてある菊やアオサをのせても、また違った風味が楽しめます。

輪切りが多いオクラを、あえて細切れに。

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ぬめりのある食材が集合した「とろとろ汁」。

小吸物は、「とろとろ汁」。その名の通り、入っているのは、イカ、オクラ、なめこ、ジュンサイとぬめりのあるものばかり。新鮮だったのは、オクラが細切れになっていたこと。

どちらかと言うと、オクラは星型の切り口を生かし、輪切りにされることが多いので、最初は「ネギ?」と間違いそうになったくらい。でも、細切れにすることで、プチプチ感、コリコリ感が口の中に広く分散するため、ぬめりのあるひと品ながら、食感はかなりリズミカルです。

最も雲丹らしい雲丹の味わい。

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甘いダシが決め手の「茄子とアスパラの煮浸し」。

煮物は、「茄子とアスパラの煮浸し」。いい匂いがしたので、先にダシを味わってみたところ、甘くて美味。カツオと昆布の落ち着いた味わいの中に、野菜から出る自然の甘みを感じます。

天雲丹(上にのせた雲丹の意)は、前菜やお造りで食べたここまでの雲丹の中でも、最も雲丹らしい味。まったりとした濃厚さを、一番強く感じます。今回のコースの中で、雲丹が出るのは3皿目。でも、全く飽きないことを、ここで改めて誇張しておきましょう。

甘くも苦くもなる雲丹を愉しむ。

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お酒が進む5品の酒菜。

酒菜は、「かますと雲丹の杉板焼き」「いかわた」「いんげん胡麻よごし」「雲丹入りいかめし」「茗荷らっきょう」。酒菜という名の通り、お酒が進む5品が、ひと皿に盛り込まれています。

献立を見てもわかるように、ここでもまた雲丹が使われていますが、今までの雲丹が甘みを愉しむものなら、特に杉板焼きは、雲丹の苦味を生かした品。同じ食材でも、合わせるものによって、甘くも苦くもなるものです。

気に入ったのが、「雲丹入りいかめし」。ここでは、通常のイカの半分の大きさの麦イカというのが使われているのですが、これがやわらかくて美味しい。イカは噛み切ろうとすると、きれいに食べられないことがありますが、これは輪切りにすると、ちょうどひと口サイズで、食べやすいのも嬉しいポイントです。

次回のテーマ「鮑」の目玉となるすり流し。

美味佳肴 喜の間
次回のコースノひと品「鮑のすり流し」。

次は本来なら、御食事の「稲庭うどん」にいくところなのですが、次回のテーマが鮑(あわび)とのことで、特別にコースの目玉となるひと品をいただいてみました。それは、「鮑のすり流し」。

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鮑と言えば、コリコリとした食感を生かして、焼き物にされることが多いので、擦ってお吸物にするのは意外でしたが、その分、期待も多し。作る過程を見せていただいたのですが、まず塩を振って、ゴシゴシともみ洗いし、エンガワを取ります。

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それを、通常、大根を擦る時のおろしがねで擦り、それにダシ汁を入れ、茶筅で軽く泡立てます。それをグラスに入れ、ジュンサイと青柚子を散らして出来上がり。

私個人としては、新鮮な驚きを存分に楽しめましたが、感想は正直、二手に分かれるところ。私はとにかく食べたことがないものを食べたい、味わったことのない調理法を味わいたい方なので、興味=美味しさ、チャレンジ=おもしろさであるという思いがあります。でも、一緒に行った友人は、基本的に食材はそのまま味わいたい方。そのあたりは、それぞれの好みが左右するところですが、感想を持てるのも、まずはトライあってこそ。舌の経験は一度でも多い方が、人生は豊かになる気がします。

こちらは、10,500円のコースのひと品だそうですが、単品でも2,000円くらいで提供できるのではとのことでした。

どこにでもある献立を、どこにでもない工夫で提供。

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デザートの「無花果ワイン寄せ」。

通常、こちらのコースは、6,300円と8,400円が基本ですが、2009年6月8日~19日までの鮑をテーマとした期間は、6,300円と10,500円の2設定。

オーナーの太田さんいわく、「日本酒とお酒に合った美味しいお料理を1万円で楽しめる店が銀座には少ない。なので、そんな一店を、自分で作りたいと思ったのが始まり。秋田出身なので、秋田の銘酒も取り揃えており、ぜひお料理と一緒に楽しんでもらえたら」。

目指すは、何度も気軽に立ち寄れるカジュアル店。どこにでもある献立が、どこにでもない工夫で出てくる和食店です。

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美味佳肴 喜の間
御食事「稲庭うどん」。
<店舗データ>
美味佳肴 喜の間
所在地:中央区銀座8-2-8
銀座高本ビルB2F
TEL:03-6228-5533
営業時間
ディナー:17:00~22:30(LO)
定休日:土日祝
JR新橋駅銀座口徒歩約4分 
銀座線・日比谷線・丸の内線銀座駅C3番出口徒歩約6分 
三田線内幸町駅A5番出口徒歩約4分
地図:Yahoo!地図情報

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