群れに1匹のみの女王蜂の姿を見る。
フタを開けた巣箱。それぞれの板から這い出てきたミツバチを、静かによけている様子。 |
「銀座ミツバチプロジェクト」がミツバチの飼育に利用するのは、9枚の板を2段に重ねた巣箱。フタを開け、板を取り出し、まずはそこにびっしりついたミツバチをブラシで払い落とします。
9枚の板を2段に重ねたミツバチの巣箱。 | 1枚づつの板それぞれにびっしりついたミツバチ。 |
興味深いのが、この時そっと見ることができる、珍しい女王蜂の姿。下記の写真でプロジェクトのメンバーが指をさしてくれていますが、その先に一匹だけいる、明らかに他よりも体の大きいミツバチ。これが、女王蜂です。
プロジェクトのメンバーの指す先にいるのが、女王蜂。 |
この女王蜂は2段の巣箱1群ごとに1匹づついて、1日2,000個もの卵を産むのだそう。つまり2段の巣箱1群ごとに群れが形成されているというわけです。この群れの匂いは、女王蜂によって違うというから驚き。ミツバチは羽ばたきで温度を調節するので、巣箱は1年中、34℃に保たれているそう。
マロニエやユリノキの蜜がスイーツには最適!
指がズボッと埋まるほど、ハチミツが貯蔵されたミツバチの巣板。 |
ミツバチを払い落とした板を見ると、それぞれの穴にびっしりハチミツが貯蔵されているのがわかります。押してみると、指先がズポッ! とろっとしたハチミツが指先にからめつきます。なめてみると、意外にもさらっとしてる。豊かな花の香りとともに、体にスーッと浸透していくような感じを覚えます。
バルブを開けた遠心分離機から、ハチミツが流れ出す様子。 |
この板を遠心分離機に入れ、手動でくるくる回すことにより発生する遠心力で、蜜を採取します。バルブを開けると、一気に流れ出す黄金色のハチミツ。回している最中から香りの強さを感じていましたが、ソメイヨシノを蜜源とする4月は、特に芳香豊かなのだそう。
遠心分離機。中に巣板を入れて回します。 | 手動でくるくる回す遠心力で蜜を採取。 |
ただ、この頃は香りが立ち過ぎる上、糖度が低いので、どちらかと言うとドリンク向き。5月中旬からの蜜源となるマロニエやユリノキは、香りより糖度が高くなるため、スイーツには最適なのだそう。
夏に向け、収量を伸ばす、銀座はちみつ!
ハチミツを採取したタンクから、ひと瓶づつ手作業で移し変えてゆく様子。 |
採取したハチミツは一度タンクに入れ、そこから小さな瓶に移し変えます。この日は、今年の採蜜活動第1回目の4月5日。桜以外の花はまだそれほどは咲いていないため、収穫は約10キロでしたが、夏に向け、天気のいい日が続くと、収量も順調に伸び、週1回の採蜜では間に合わなくなるほど。
採蜜活動第1回目の収穫は、約10キロ。 |
こうして毎週土曜日の朝、プロジェクトのメンバーが半日をかけ、採取したハチミツは、一般販売こそまだされていませんが、銀座に店を出す職人達の手に渡り、銀座ならではのスイーツへと昇華してゆくのです。