JR横須賀駅からヴェルニー公園へ
まずは、JR横須賀駅をスタート! この日はあいにくの曇り空。 |
横須賀といえば、僕らの年代だと、流行歌の印象が強い。たとえば、山口百恵の「横須賀ストーリー」、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」などである。いずれも僕が中学生のころであったろうか、よくはわからないけれど、どこかオシャレな街だという印象は持っていた。
JR横須賀駅に到着したのはお昼過ぎ。駅舎は昭和15年に改築され、今日まで続いている。懐かしい外観である。特徴はホームから改札まで階段がないこと。なぜこういう構造になったかといえば、もともとこの駅は、軍港に物資を運ぶ目的でつくられたからである。1997年には「関東の駅百選」にも選出された。いまも駅を出て、すぐに海がある。そこには米軍基地で、軍関係の船舶が停泊しているのを見ることができる。ただ、この横須賀駅は軍港への物資搬送用につくられたわけだから、ここから市街地は少し遠い。市街地には浜急行の汐入駅と横須賀中央駅などのほうが近い。
駅からすぐに広がっているのがヴェルニー公園。海を臨むきれいな公園である。名前が少し変わっている。このヴェルニーというのは人の名前である。かつてこの対岸に作られた横須賀製鉄所(造船所)の建設に貢献したフランスの技師レオンス・ヴェルニーの名前からとった公園である。公園内にはヴェルニーの胸像がある。もうひとつ胸像があった。こちらは日本人。江戸幕府の勘定奉行小栗上野介忠順である。造船所建設のために尽力したこの両名が、ちょうど対岸の横須賀製鉄所のあった場所を見ている。
どぶ板商店街でスカジャンを
かつてはどぶ川に板が置かれていたという通り |
とたむねこさん。海から内陸に入っていく。そこで、見た商店街に驚いた。これまで見たどの商店街にも似ていない、独特な通りなのだ。
ここは「どぶ板通り」と呼ばれている商店街で、かつてここには、どぶ川があり、その上に板が通されていたそうだ。今はそんな面影もなく、とてもきれいな商店街である。スカジャンの店がある。そういえば、派手な刺繍の入ったスカジャンは「横須賀ジャンパー」であり、発祥の地はここ横須賀である。見ているだけでも楽しい。そのほか、米軍の放出品を売っているお店や米兵相手の日本土産店などもあり、実におもしろい商店街である。看板などもどこか、エキゾチックで独特だ。歩いているだけでなんだか楽しくなってしまう商店街である。
しばらく行くと、三笠公園の大きなアーチ看板が現れた。ここが入り口なのだが、実際の公園はまだ先のようだ。その背後は広大な在日米軍の基地がある。たむねこさんは、在日米軍のことを「ベース」と言う。横須賀の人はたいていそう呼ぶそうだ。