コンビニで卓球ができるのである
聖橋の上から神田川を見る。タグボートが船を引いている。今も生きた河なのだ |
自分の記憶の中では、梶井基次郎の「檸檬」という小説の中に聖橋が出てくると思っていたのだが、そうではなかった。小説「檸檬」に出てくるのは、丸善という書店である。これは御茶ノ水にあった。が、「檸檬」の舞台は京都である。この丸善は東京のそれではなくて、京都なのだ。
そんなことを思っていると、天野さんが「それは、さだまさしの歌に『檸檬』というのがあるからでしょう」と教えてくれた。あ、そうだ。たしかあの歌詞では、聖橋から檸檬を投げるのだ。
JR中央線はもともと明治時代に作られた甲武鉄道であった。当時の起点の駅はここ御茶ノ水駅だったのだ。その後、甲武鉄道は国有鉄道に吸収されたのである。きょうは、その御茶ノ水駅から本郷方面に歩く予定で、聖橋を渡っていくと本郷である。ところが、Nくんは
「神保町に卓球ができるコンビニがあるんですよ。そこへ行きましょう」
と言う。だったら、ぐるりと回って本郷へ行こうかということになった。
ニコライ聖堂を右に見ながら、本郷通りを下っていく。靖国通りまでに出て、神保町の交叉点。ここを右に曲がる。JR水道橋駅方向だ。ところが、なかなか卓球のできるコンビニが見つからない。どうやら、NくんがWEBで見つけた住所に誤りがあるようだ。こういうこともあるんだね。まあ、雑誌も同じだけれど、誤りはある。
1台、30分で700円。コンビニで卓球なんてなんだか不思議 |
1台、30分で700円。いやぁ、こんなところで卓球ができるのだ。時刻はお昼過ぎ。けっこうすいている。明るい室内である。
最初は軽いラリーをやっていたが、試合をやろうということになった。優勝したのはNくんだった。飲み物をコンビニで買う。店内には小さなテーブルと椅子があって、座って飲み食いもできる。
それにしてもいい天気。お店を出た僕たちは、本郷ではなく、桜を見に靖国神社へ行くことにした。