散歩/和む散歩ルート

中野駅北口から哲学堂へ 瞑想する散歩(3ページ目)

中野駅からブロードウェイを抜けて、刑務所作業製品を購入。そして、平和の森公園を抜け、哲学堂をめざす。歩くといろんなことに遭遇する。歩くことは哲学であり、瞑想なのだ。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

平和公園から沼袋駅、そして哲学堂公園へ

唐突に現れる弥生時代後期の復元住居。中には入ることはできない
平和公園通りに戻って、そのまま進む。左側に平和の森公園が見えてくる。

中に入ってみるのだが、ごく普通の公園。が、どういうわけか弥生時代後期の復元住居というのがある。なぜなのかと思ったら、ここも元は中野刑務所の土地で、取り壊しになったときに大きな遺跡が発見されたとのこと。どうやらここは先土器時代から江戸時代までの複合遺跡なのだそうだ。

さて、ここから僕たちは哲学堂をめざしたいのだが、どう行けばいいのかわからなくなった。

こんなときに役立つのが携帯電話についているEZナビ。誘導してくれる。僕たちは急いでいる。なぜなら、哲学堂公園の開園時間が朝の9時から夕方5時まで。入場は4時半までである。

公園を抜けたところ、妙正寺川に突き当たる。妙正寺川沿いの道を右に行く。先ほどの平和公園通りに出る。そこを左に曲がり、まっすぐ行く。すると右側に西武新宿線の沼袋駅が見えてくる。このあと、住宅街を通って、再び妙正寺川に突き当たる。

ここはかなり歩いた気分だった。野球をやっているグラウンドがあり、その向こう側が哲学堂公園だ。

哲学堂公園の山を登る

(上)哲理門。門の両側には河童と幽霊が… (中)哲理門のかわら。「哲」の文字が一際映える (下)まさに哲学。なぜか将棋の対戦開催中。懐が広い場所だ
東京でも屈指の散歩コースが、この哲学堂公園だ。ウォーキングスタイルで歩いている人たちを何人か見かけた。

ここはちょっとした小山になっていて、歩くコースも様々。ここ哲学堂公園は、東洋大学の創設者である井上圓了が、明治37年に四聖堂を建てたのがその始まりだそうだ。入り口の看板には「七十七場名所案内」という図があった。哲学にまつわるいろいろなものがあるのだけれど、それらはどうにも不思議なものだったりする。

「よし、この七十七場を全部巡るぞ」とひとりごちると、Nくんにいやな顔をされた。いやいや、冗談だよ。

公園はよく整備されていて、ベンチなどもたくさんあり、トイレもあちらこちらにある。Nくんが「ちょっと休みましょう」と言う。たしかに少し疲れた。散歩はできれば1時間歩いたら、少し休憩をしたい。水分補給をし、トイレにも行った。

そして、小山を登っていく。後からわかったのだけれど、僕たちは公園の東側から入っていったのだけれど、正面入り口は反対側だった。

急な坂道を登ると広場に出る。いきなり出てくるのは、「絶對城」(図書館)という建物がある。こういった小さな不思議な建物やモニュメントがたくさんあるのが、ここ哲学堂公園だ。

ちょっと張りつめた気持ちで広場を進むと、な、なんと、おじさんたちが集まって将棋を指している。いっきに現実に引き戻されそうな感じ。

赤く大きな塔が「六賢台」。それぞれ説明がついているのだが、よくわからない。ちなみにここは東洋の六賢人が祭られている。日本の聖徳太子、菅原道真、中国の荘子、朱子、インドの龍樹、迦毘羅だそうだ。

この奥に妖怪門と言われる門がある。正式名称は哲理門だそうだが、この門の両側には仁王ならぬ、河童と幽霊がいるのである。哲学というよりもかなり心霊スポットに近い感じがする。

日が沈むと閉園するのは、幽霊たちが出てくるからではないかと思ってしまうほどだ。
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