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【MLB】ボストン・レッドソックス超入門(4ページ目)

ポスティングで松坂大輔の交渉権を得たボストン・レッドソックスはどんなチームか? その歴史からチームカラー、松坂の今後、戦力分析などをまとめた。

執筆者:コモエスタ 坂本

バンビーノの呪い


「バンビーノ」はかつてレッドソックスに在籍した、ベーブ・ルースの愛称だ。

レッドソックスの1910年代は、10年間に4度のワールドシリーズ優勝を飾るなどの黄金期だった。しかし経営難のため、最後の優勝を遂げた1918年以降にスター選手を続々と放出してしまう。1920年、中心打者で主力投手でもあったベーブ・ルースをニューヨーク・ヤンキースにトレードして以降、レッドソックスはワールドシリーズから遠ざかることになる。

一方のヤンキースは、ベーブルースを迎え入れてからの1920年代以降、現在へと繋がる常勝チームへと変貌し、1923年のワールドシリーズ初優勝以降、20年代には10年間で3度、続く30年代には5度のワールドシリーズ優勝を記録する。またベーブ・ルースはヤンキースに入団して以降、ほぼ打撃に専念し(投手としては5試合出場のみ)、「世界のホームラン王」への道を歩むことになる。

レッドソックスはその後、2004年に86年ぶりのワールドシリーズ優勝を成し遂げるまで、4回(1946,1967,1975,1986年)ワールドシリーズに出場したが、そこで勝つことができなかった。これ以外のシーズンでも、ア・リーグ東で同地区のヤンキースにシーズンゲーム・ポストシーズンゲームを問わず、ことごとく阻止されてきた。

ヤンキースとレッドソックスというライバル関係にあるチームにおいて、「バンビーノの呪い」とはヤンキースファンにとっては、相手チームを揶揄するため、そしてレッドソックスファンにとっては文字通り、ヤンキースの壁・ワールドシリーズの壁を崩せない呪縛として使われる言葉であった。これは阪神タイガースが2003年に18年ぶりの優勝を果たすまでの暗黒時代に、「1985」がある意味の呪縛になっていた例と似ているかもしれない(期間は短いが)。

そして2004年、長らくの「バンビーノの呪い」は解けたものの、それ以降ヤンキースファンからは「バンビーノの呪いは86年間優勝できないということで、次にレッドソックスが優勝するのは2004+86=2090年」という新解釈が生まれた。打ち破ってもまだまとわりつく呪いではあるのだが、ライバルチームとの伝統的文脈において、しばしば話題に昇り、語られ続ける言葉であろう。

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